3 聞くだけ
飛鳥が食べたいと言ったので、ハンバーガーのチェーン店にやって来た。
「私は如月硝樺と申します。お二人はご兄弟なので、飛鳥先輩と住菱さんとお呼びさせていただきます」
「うん。よろしくー」
飛鳥はハンバーガーを口にしながら答えた。
「で、二人はどんな関係?他校なのによく知り合ったね」
「私は、住菱さんの婚約者である瑞穂さんの友人です。先日、お会いさせていただきました」
硝樺は飛鳥に説明をする。
「それで」
硝樺は俺の方を向いた。
「あの方とはどのような話をされていたのですか?」
「それ、言う必要ある?」
正直、答えるのが面倒だった。
「浮気ではないか確認するだけです」
俺はため息をついた。
「漫画の話をしただけだよ。浮気なんてしないから、そうやってプライベートを覗くことはやめてくれ」
「わかりましたわ」
意外にも硝樺は頷いた。
「私は、飛鳥さんともお話をしたかったのです」
「え、あたし?」
飛鳥は目を見開いた。
「初めてお会いして突然申し訳ございません。失礼なことをお伺いしますが、飛鳥先輩は浮気を繰り返しているとよく耳にします。無関係な私が口を出すことではありませんが、真偽を教えていただけませんか?」
「真偽ね…」
飛鳥はにやりと笑った。
「正直に言ってそれは嘘。ちゃんと別れてるから」
「そうですか」
硝樺は目を閉じた。
「初対面でこのような質問に答えていただき、ありがとうございました。もう私から言えることは何もありません」
硝樺は立ち上がった。
「ありがとうございました。さようなら」
そう言って去って行った。
「結局、何を話したかったんだ?」
疑問だけが残っていた。




