2 偶然の敵と姉
「新刊買えたし、バイバイ!」
弥生は手を振った。俺も振り返して別れようとした。
「ちょっと」
その時、突然鞄が引っ張られた。
「硝樺!?」
振り返ると、飛鳥と同じ制服を着た硝樺が立っていた。
「誰なんですの?あれ」
硝樺は弥生を指差した。
「あれは瑞穂の友達」
「瑞穂さんの友達…」
硝樺は鞄から手を離した。
「でも」
「いっ…!」
今度は俺の頬を引っ張った。
「なんであなたが話しているんですの!」
「いだだだだだ」
さらに引っ張る力が強まった。
「瑞穂の友達だから俺も話してるんだよ!三人で弁当食べてるって言っただろ!」
俺は無理矢理手を引き剥がした。
「お前こそなんでいるんだよ…」
俺は硝樺に向き直った。
「本屋に来ただけですわよ。でも、見覚えのある顔が見えて追いかけたら…」
硝樺は俺を睨みつけた。
「瑞穂さんという婚約相手がいながら、ほかの女と話してるなんて浮気ですわ!!」
硝樺は俺を指差した。
「だから友達だって言ってるだろ!!」
俺は硝樺の頬を引っ張った。
「あなた!勝手に女性の顔を触るとか非常識ですわ!!」
「お前こそ人のこと追いかけてるだろ!ストーカー!」
俺達は睨み合った。
「あーあ。住菱何やってんの」
気だるけな声にはっと我に返った。
「飛鳥…お前もなんで…!」
俺は硝樺から離れた。
「うちの学校の生徒と住菱がいるからおかしいなーって思ったんだよね。なんか喧嘩してるし」
硝樺は唇を噛み締めた。
「いいですわ…二人まとめてお話しませんこと?」
硝樺は不敵な笑みを浮かべた。




