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10 離れても
「青宮学園に行ってしまうのですね」
受験期になって瑞穂から聞いた。
「はい。家柄を気にせず通える学校に行きたくなりました」
青宮学園は一般人も多く通う学校。私立なので富裕層も一定数通うが、七星ほどではない。
「私も、何度も両親に訴えましたわ。でも、青宮学園は許してもらえませんでした」
瑞穂は唯一の友達であり、同時に愛する人だ。こんなところで別れるなどしたくなかった。
「硝樺さん」
瑞穂はそっと近づき、硝樺を抱きしめた。
「離れてしまってもお友達です」
その言葉に涙が溢れた。
「愛していますわ。瑞穂さん…!」
家ではなく一人の人間として見てくれた瑞穂。どんな道へ歩もうとも瑞穂を否定することは決してしない。それは瑞穂への大きな信用と愛があるからこそ彼女の考えを最大限尊重したいからだ。




