2 ドレス姿の彼女
「キター!!」
家に帰ってきて一時間ほど経った頃、瑞穂からメッセージが入った。
(俺の未来の妻、待っててくれよ)
軽い足取りで近くにいたメイドに車を出してもらうように言って瑞穂の家に向かった。
「瑞穂様から大広間でお待ち下さいと伺っております」
「はい…承知いたしました」
瑞穂の家のメイドから大広間に通された。
「では、瑞穂様をお呼びいたしますので少々お待ち下さい」
(わざわざ大広間とは…)
メイドも出て行ったので、広い空間に一人取り残された気分になった。
(けっこうビッグイベントなんじゃないか!?)
期待に胸を膨らませながら瑞穂が来るのを待った。
ガタッ。
「!?」
少し待てば扉が動く音がした。
「え…?」
入ってきたのはロングドレス姿の瑞穂だった。
(なんで…!?)
驚きで体が動かない。それに、とても可愛い…いや、可愛いを通り越して美しすぎて直視するのもままならないくらいだ。
「っ…」
一歩踏み入ることができた瑞穂だが、それきり動かない。遠いからはっきり見えないが、確実に顔を赤くして恥ずかしがっているのだろう。
「かわ、いい…」
自分も動揺していて思うように声が出ない。絞り出した声もとても小さかった。
すると、瑞穂が歩き出して俺のほうへ向かってきた。
「…!」
靴を履いているのだろう。歩く度にカツカツとなるヒールの音がする。ふわりと広がったドレスは花のようだ。いや、このドレスは花がモチーフなのだろう。スカートのデザインが花びらのようで、花の刺繍が多くある。腕まであるドレスと同じ淡いピンクのグローブも付け、頭にはティアラが輝いている。シルバーの大きなティアラは瑞穂をより一層美しくさせている。髪型はハーフアップで、下ろしている髪はふわふわになっていて可愛い。
全体的に柔らかく、ふわふわした雰囲気を醸し出している瑞穂の姿は花のプリンセスのようだ。