11 赤面可愛い
「可愛いって言ってる住菱くんも可愛いし、笑った顔も可愛いし、寝顔も可愛いし、お揃いのもの必ず着けてくれるのも嬉しいし可愛いし、話し方も可愛いし…あぁ、何よりも赤面する住菱くんは段違いに可愛い!!」
早口で言う瑞穂に圧倒されつつも、最後の言葉が気になった。
「瑞穂も赤面よくするくせに」
「住菱くんがするからいいんだよ!このかっこいいお顔が恥ずかしそうにするなんて考えられないでしょ!」
無邪気に言う姿が可愛いと思った俺の顔は少し熱くなった。
「照れた!!」
「照れてない!!」
詰め寄られて必死に後退る。
「照れてるよ〜可愛いね」
「そんなことないから…」
目を逸らしながら瑞穂から離れる。
「どうしてそんなに可愛いの〜?」
「へ!?」
人差し指で腹から胸まで一直線になぞられた。
「効果抜群だね」
にっこりと笑ってみせる瑞穂。
「やり返すよ!?本気で!」
やるなら容赦なくやり返す。
「やってみれば?」
「へぇーそうか…」
俺はちゃんと許可を得た。後から変態とか言われても言い訳させないからな。
「…」
「…?」
無反応だ。腹から瑞穂のもつ大きな胸までなぞり上げたのに平然とした顔で俺を見つめてくる。
「思ってたのと違う」
「何を思ってたの…」
瑞穂が呆れ気味に苦笑いする。
「そこはさぁ!変態でも何でも言ってくれよ!」
「言われたいの?」
口元に手を当てて軽蔑した目を向けられた。
「言われたいんじゃなくて言う場面でしょうが!だめだよ平然とした顔でいたら!」
こっちとしてはよく澄ました顔でいられるなと思う。瑞穂ならうろたえると思ってた。
「言っても無駄かと思って」
「無駄じゃないから!ちょっと怒られるの期待してたのに!」
「男の子は難しいなー」
棒読みで言われた。