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9 この世の誰よりも信じてる

「私が信用している人はみんな私を愛してくれている。愛してくれる人だけを信用しているから悩み事は少なかったのかも」

「それはよくわかる」

瑞穂の両親も瑞穂想いですごく優しい。硝樺も瑞穂好き好きムーブをかましていたし。瑞穂を悩ませる要因が少なかったのだろう。

「だから住菱くんも私をもっと頼ってほしい。考え込むほどでもないけど悩み事があったときはすぐ信頼できる人に相談してたよ。だから、言えるときは言ってね」

「それはもちろん。俺の中で一番信用しているのは瑞穂だから」

照れながらも頷いた。

「私の次は誰?」

「それは…飛鳥かな?」

突然言われて戸惑ったけれど、ここは姉の名前を出しておこう。

「飛鳥さんか。なら良かった」

瑞穂は安堵したように微笑む。

「でも、飛鳥より何倍も瑞穂のほうが信用できる」

「それは私と出会ってからでしょ。私と出会う前の住菱くんは誰を信用していたのかなと思って」

目を閉じて息を吐く瑞穂。

「ちゃんと家族のことは信じているんだね」

本当は少し嘘だ。完全に信用なんてしていない。信じていいはずなのに、心が拒絶している。俺の親なんて三井財閥の代表なんだぞ?めちゃくちゃ信頼していいのに、嫌悪感だとかなんだとかで信じることをしようとしない。

「あっ、ご、ごめんなさい!ええっと…寝る?」

慌てふためく瑞穂を見たら考えていたことも消えて思わず笑ってしまった。

「大丈夫。いいね、瑞穂。そういう可愛いところ大好き」

頭を撫でて愛でたくなった。

「本当に大丈夫なの?」

「むしろ元気出た。傍に居てくれてありがとう」

恥ずかしそうに顔を赤くする姿も可愛い。この純粋さにどれだけ救われるだろうか。ずっとこのままでいてほしい。

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