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8 くだらないですわ

 お金持ちだけが通うことができる私立七星中学校。

生徒全員がある程度のマナーを身に着けていて落ち着きのある校風だ。しかし、そこには裏がある。

「あの方、あんな小さい財閥でよくここに来られましたね」

「本当にここに相応しいのかしら」

家柄で人間関係を築くことだ。

 自分より小さな家は貶し、大きな家にはごまをする。それがこの学校に通う人間だ。

(なんてくだらないかしら)

硝樺はそんな周りの様子にあきれていた。

「あなた如月財閥の方?」

一人の女子生徒に聞かれた。

「ええ。そうですわ」

「まあ!そうでしたか!私…」

どんな人も最初に家柄を聞いてくる。家柄で近づこうとする人間に信用はできない。

 でも、どれだけ関わりたくなくても大きな家である以上近寄られる。

(家柄関係なく接してくれる人はどこにいるのでしょう…)

「わっ!!」

廊下を歩きながら考えていたら誰かにぶつかってしまった。

「申し訳ございません!」

相手のほうから謝られて顔をあげた。

(!?)

目の前にいるのは安田財閥の娘と噂されている安田瑞穂だった。

「いえ、私のほうこそ申し訳ございません!お怪我ありませんか!?」

日本三大財閥の一つである財閥の娘だ。何かあったら大変な事態になってしまう。

「大丈夫ですよ」

「私が前を見ていなかったせいです。本当に…!」

「お、落ち着いてください」

瑞穂が硝樺の頭を上げさせる。

「私のことは大丈夫です。ぶつかってごめんなさいね」

そう言って去っていった。

 しかし、硝樺には見えた。去っていく時、少し悲しげな顔をしていたことを。

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