4 くるくるハーフツイン
「でき…うぇっ!?」
鏡を見てみると、あまりにも可愛すぎる瑞穂の姿が映っていた。
「どうしたの?」
「え…可愛い」
危うくヘアアイロンを落とすところだった。我ながら名案だった。くるくるふわふわでいつもの瑞穂とはまた違う栄養を得られる。それでいてハーフツインだからか、華やかさがあってお嬢様感が増した。可愛さの中に上品さがあり、美しい。
「ああ可愛い!!けど綺麗!瑞穂は何でも似合って困っちゃうね!」
腕を振って褒め称えた。誇張無しに何時間でも見つめ続けられるくらい気に入った。
「可愛い…」
顔を赤くして口元に手を当てる瑞穂。
「上手だし可愛いし…ありがとう」
「瑞穂なら似合うと思ったんだ!正解だったな!」
興奮を抑えられない。意味もなく飛び跳ねてしまう。
「すごい…」
小さく呟く瑞穂。
「ありがとう!」
突然、俺の手を掴んで目を見てはっきりと伝えられた。
「ど、どういたしまして…」
すごく嬉しそうな顔で言われてうろたえてしまった。
(無邪気な顔で言われると、すごい嬉しい…)
ぎゅっと強く掴まれた手、全て俺に注がれた視線、少し顔を赤らめてはっきりと言われたお礼の言葉に全身が喜びで震え上がるような感覚がした。
(めちゃくちゃ喜んでくれてよかった)
鏡を見て笑顔を浮かべる瑞穂を見て、安堵と笑みが顔に現れた。
「住菱くんがこんなに器用とは思わなかった」
部屋に戻りながら瑞穂に言われた。
「器用なんですよ、それが」
俺は自慢気に言ってみせる。
「すごく可愛いよ!」
瑞穂はにっこりと笑った。
「さっきはびっくりしてありがとうしか言えなかったけど、すごく嬉しいし、可愛い!」
「ありがとうだけでも充分伝わったけど、改めて言われると照れるなぁ」
思わず顔がにやけてしまう。