表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
443/462

1 起きてたね

(えぇ〜ちょっと可愛すぎるよ)

 朝からにやけが止まらない。俺の胸に頭をつけて瑞穂が寝ているのだ。そして、なぜかご丁寧に俺の肩にはブランケットが掛けられている。

(起きてたな、これ)

大抵、瑞穂は俺より先に起きていることが多い。

 寝る前にブランケットなんて使っていなかったから瑞穂が引っ張り出してきたのだろう。

(瑞穂も二度寝だな)

なんて可愛らしい子なんだろう。純粋で無防備だ。

 ふと、昨日の朝を思い出した。やり返すと言ったので今がチャンスだろう。

「…」

このプリンセス、熟睡している。キスでは起きないようだ。

(可愛いから起きなくてもいいけどね)

定位置に戻って瑞穂を抱きしめた。

「おっ?」

「っ!?」

 しばらくすると、急に抱き返された。瑞穂を見れば驚いた顔をしている。

「あれ…起きてる?」

「ちょっと前から。二度寝したな?」

「なんでわかるの!?」

咄嗟に俺から離れた。

「寒くならないように肩にブランケットを掛けてくれた人は誰だろー」

「さ、さあ?」

わかりやすく目を逸らす。

「なんで正直に言わないの?」

「…私です。二度寝したのも私」

瑞穂は眉をひそめながら言った。

「優しくて可愛いねぇ。俺の腕の中は寝心地良かった?」

「温かった。住菱くんの温もりを感じた」

「俺も…と言いたいところだが、良くないか」

女の胸に顔を埋めるなんてできるはずがない。瑞穂も嫌がるだろうし。

「…いいよ」

「は?」

耳を疑った。いや、承諾されても絶対に断るつもりだが。

「温かいと思うよ」

「気持ちだけで温かいので充分ですよ」

苦笑いしてやんわり断ろうとした。

「そうだね、住菱くんはすぐ変なこと考えるから余計なことはしないほうがいいかも」

瑞穂は目を逸らしてため息をついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ