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10 バカ猫

「大バカでしょ…」

さすがに堪えきれなくなり、ついに声を出して笑ってしまった。

「ひどい!住菱くんって私のことバカって言って笑うんだ!」

「だっ、だって…ふっ…な、何回も言ってるのに…」

追い打ちをかけられてさらに笑いが止まらなくなる。

「どういうこと?」

「マジでバカだ…」

笑いすぎてベッドに顔を伏せた。

「もう、どういうことなの!私のことバカって言ってそんなに面白い?」

「ちょ…黙って」

とにかく落ち着こうと必死になっているところなのだ。

「だからさ…俺、何回も言ったよ。瑞穂の言ってほしいこと」

「いや、言ってないでしょ」

 やっとのことで落ち着いたというのに、この子はまた笑わせようとしているのだろうか。

「言ったから。よく思い出してみなよ」

「うーん…」

瑞穂は視線を上に向けた。

「あ」

間抜けな声を上げた瑞穂。

「ちゃんと聞けなかったからもう一回言って!!」

勢いよく襟首を掴まれた。

「むーりー。聞かなかったのが悪いよー」

「なんで!!」

瑞穂は眉を下げた。

「ちゃんと聞いてなかったってことは、俺の話なんてどうでもいいんだね」

「そんなことない!にゃーんって言ってたの思い出せるけど、改めてちゃんと聞きたいの!」

「思い出せるなら言わなくていいじゃん」

「良くない!」

ぶんぶん左右に首を振る瑞穂。

「欲張りなことのほうが良くないと思うけどねぇ」

「どうしたら言ってくれるの…」

悲しげな顔をされてこちらも胸が痛くなる。

「瑞穂がにゃーんって言って」

「…!!」

瑞穂は目を見開いて笑顔になった。

「にゃん!!」

喜んだ顔でベッドから飛びついてきた。

「うわっ!?」

勢いに押されて体が後ろへ倒れた。

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