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7 結婚指輪と同じです
「結婚指輪って同じ物を付けますよね。それと同じです」
笑顔で言う瑞穂に俺は吹き出してしまった。
「そんなこと考えてたのか!?」
「実は…本当は指輪でも良かったのですが、早いかなと思って」
顔を赤くしながら言う。結婚相手とはいえ指輪じゃなくて良かったと安堵した。
「たった数ヶ月でこんなにも瑞穂さんの心を奪うなんて…あなた何者ですの!?」
硝樺が俺のほうにぐっと身を乗り出す。
「三井財閥の跡継ぎだが?」
「そうじゃなくて!…はっ!」
硝樺が息を飲んだ。
「金ですわ…金で釣ったのね!!」
「なわけあるか!!」
勢いよく突っ込んでおいた。
「そうですよね。瑞穂さんが金に釣られる訳ないですわ」
硝樺は髪をふっとはらった。
「三井さんのことが好きなだけですよ」
瑞穂が小声で恥ずかしそうに言った。
「…」
硝樺は唇を噛んで悔しげにした。
「…負けですわ」
硝樺は俯いた。
「瑞穂さんが誰かに積極的なことなんて今まで無かったですわ」
硝樺が一つ息を吸う。
「あれは入学したばかりのことでしたわ」




