3 ぼーっとしている住菱くん
「住菱くん?」
落ち着いてきたので布団から出てみると、足を抱えて俯く住菱くんの姿がありました。
「あの…もう大丈夫だから朝ごはん食べに…」
ベッドから降りて隣にしゃがんでみました。
「住菱くん?」
反応がないので肩を叩いてみても反応なし。
(寝てる…)
肩を叩かれても気づかないくらい熟睡してしまっています。
「起きなさい!住菱くん!」
背中に乗っかってみました。
「うっ…」
ようやく気がついたようです。
「ほら、立って!」
腕を引っ張って強制的に立たせます。
「わかったわかった…」
ため息をつきながら力なく立ち上がりました。
(すごく寝ぼけてる…)
朝ごはんを食べている時も、歯を磨くときも住菱くんはぼーっとしていて体が起きていないようです。
「あちっ!!」
「大丈夫!?」
ヘアアイロンを使っていた住菱くんから叫び声が聞こえてきました。
「大丈夫…眠気も冷めたし…」
苦笑いして振り返る住菱くん。
「火傷してない…?」
「すぐ手離したし大丈夫だと思う」
心配が勝つけれど、指に異常は見えないので住菱くんを信じます。
「え、待って可愛い!!」
私を見た住菱くんが目を輝かせました。
「え?」
理解ができなくて思わず首を傾げました。
「片方しか縛ってないのも可愛い!」
私の頭を指差して言う住菱くん。
「あ、えーっと…これ?」
まだ縛っている途中だったので、片方しか縛れていない髪に手を当ててみました。
「うんうん。ハーフツインもいいけど、一つでも可愛いね。この髪型はなんて言うんだ…?」
「ハーフサイドテール…かな?」
「へぇー」
まじまじ見つめられて目を逸らしました。
「でも、二つに見慣れているから物足りなさもある…でも可愛い…」
「えーと…」
このままでいろと言うのか、いつものようにセットすればいいのか悩みどころです。