2 心の中
一方、瑞穂の心境は…。
(かっこいい!?)
住菱の真剣な顔つきを見てパニックになっていた。
(悪戯心でキスしてみたけど、まさか起きるとは思わなかったし、朝からかっこいい顔が見られて心臓が…!!)
布団の中でぎゅっと胸を掴みました。
(私はこんなにドキドキしてるのに、住菱くんはいつも素っ気なく交わして…!)
最初は動揺していました。あの住菱くんが気を抜かして驚く顔を見られて私は満足だったのです。しかし、何言か話しただけですぐ正気に戻ってそれどころか…!
(あぁぁ…!!)
思い出すと苦しくなります。眉間に少ししわを寄せて目を細める住菱くんの顔はかっこいいのです。鋭い目に磨きがかかって怖く感じるかもしれませんが、そんな目つきもとても魅力的なのです。その目で見つめられたらもはや苦しいくらい心を突き通されてしまいます。
(そんな私のこともつゆ知らずに一体何してるの!)
こっそり布団を上げて、隙間から様子を伺ってみました。
(何もしてなかった!)
また布団の中に戻り、自分を落ち着かせることに専念しました。
(今動いたな)
布が擦れる音がして思った。
(何を照れてるんだ?)
やり返すとか言ったからだろうか。自分からやってきたくせに自分がやられることは随分と恥ずかしがるようだ。
(まあ、瑞穂ってそんな感じか。結構なんでもできるのに、自分がされる側だと躊躇うんだよな)
うんうんと自分で納得してしまう。大好きなキスでさえも俺からするとやたら驚いてくるし。
自分からは簡単にしてくるくせにねぇ。こっちだってびっくりするから突然はやめてほしい…いや、やめないでほしいけどやめてほしいですよ。