2 お泊り大好きカップルです
「飛鳥さん、國元さんの家に泊まるんだ〜」
翌朝、瑞穂に話せば喜ばしそうにしてくれた。
「だから、今日は俺の家泊まって。土日も!」
「いいよ!」
瑞穂は笑顔で頷いてくれた。
「全く、お泊り大好きなカップルですなー」
俺達の話を聞かれていたのか、弥生が腕を組んで呆れながら近づいてきた。
「お泊り楽しいよ。一日中住菱くんと居れるから」
「そういうところだよ、瑞穂ちゃん」
人差し指を瑞穂に向けた。
「住菱くんの部屋は居心地が良いから…」
「まあ、確かに。いい匂いがして、広くて快適だったけど…」
二人は俺の部屋の話で頷きあった。
「やっぱイケメンの部屋ってすごいんだな」
「住菱くんの部屋は落ち着きがあっていいよね」
「そう、なのか…?」
自分の部屋だからか、自分では二人の言うようなことは感じたことがない。なので、苦笑いして首を傾げることしかできなかった。
「そういえば、結婚したら私も住むんだよね?嬉しいなぁ。自分の家もいいけど、住菱くんのお家も好きだから」
瑞穂は、はにかむように笑った。
「飛鳥が國元の家に住んだら、瑞穂は強制的に俺の家に住んでもらうからね」
昨日の話を思い出して言った。
「飛鳥さん、國元さんの家に住むの?」
「まだだけど、俺は瑞穂と住みたいから、早く出て行ってくれないかなーって思う」
「お姉様に対して出て行けなんて言うなら、私も住んであげないよ」
腕を組んでそっぽ向かれた。
「三井さんピンチだ」
弥生が嘲笑うように言った。
「瑞穂が住んでくれないと俺が困るー。出て行けってもう言わないから許してー」
手を合わせて苦笑いしながら瑞穂に迫った。
「ふざけているように見えるけど…仕方ない」
瑞穂は呆れ気味にため息をついた。
「わーい!瑞穂大好きー!」
「ただの仲良しじゃん」
俺が瑞穂の手を握ると、弥生が可笑しそうに笑った。