5 様々な付き合い方
『私も運命って思える相手に出会えたらいいな』
(國元は、飛鳥にとって運命の相手なのだろうか?)
國元を見つめてみた。
「それは飛鳥に聞いてくれ。ちなみに、お前は飛鳥のことどう思ってる?」
「運命って言われたらどうかわからないけど、昔から付き合いがあったことも考えたら運命かもしれない…のか?」
首を傾げて俺を見た。
「運命って結局何なんだろうな。ま、そんなことはどうでもいい。言いたいことはそれだけか?」
「ああ、そうだな」
俺は立ち上がった。
「サボりもこれくらいにして何かしようぜ」
「一時間サボるつもりだったんだけどなー」
ため息をつきながらも國元も立ち上がった。
「國元さんも奥手なんだね」
授業後の休み時間に少しだけ瑞穂に話した。
「意外だよな。いざ彼女ができたらビビってるんだから」
「むしろ、私達があまりにも距離が縮まるの早かったとか?」
「そんなこと…あるか」
思えば、出会って二日で告白…いや、プロポーズした訳だから。しかもOKされたし。
「俺達が異常なのか…。國元のことは奥手なんて言えないな」
「郁助さんと硝樺さんはどんなお付き合いされているんだろうね。次会ったら聞いてみたいな」
「確かに。奥手そうな郁助とグイグイ行く硝樺の関係って気になるな」
その時、授業が始まるチャイムが鳴ったので慌てて前に向き直った。