4 証明
「じゃあ、あえて普段通りに話す。確かに、俺も姉が信用できないようなことをしているのは知っている。でも、俺は違う。いくら弟だからって同じだと決めつけるな」
「では、証明してくださる?」
硝樺が瑞穂に近づく。
「あなたが瑞穂さんを本当に愛しているのか私にわかるように伝えてください」
「具体的にどうやって?」
「そんなこと自分で考えなさいな!」
硝樺に怒鳴られた。
「私はそんなこと考えなくても愛を表現できるのに」
硝樺は瑞穂に近づき、そっと頬にキスをした。
「これくらい簡単にできないと」
振り返って俺を見下すように笑った。
(俺がやっても嫌がられるだろ)
瑞穂は硝樺と三年間も過ごしていたのだ。だからあれくらい許しているのだろうが、俺はまだ数か月。彼氏とはいえ距離の詰め方がおかしい気が…
(でも…)
そういえば、パーティーの時は瑞穂の方からキスされた。
瑞穂の方を見つめてみた。
(俺からしてもいいのだろうか)
一歩近づいてみた。
「…!」
瑞穂が驚いたように体を跳ね上がらせる。
「あっ…」
俺も立ち止まり、進もうと思わなかった。
「…」
硝樺が静かに俺たちを見つめる。
「あ…えっと、どうかしましたか?」
「いや…」
しんと静まり返った。俺も瑞穂と目を合わせられなくなって非常にいたたまれない。
「…わかりましたわ」
硝樺がため息交じりに言う。
「帰りに私が結果を言いますわ。これなら時間に余裕があるでしょう?」
「ありがとう?」
本当はこんなことしたくないが従うしかないだろう。




