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10 隠し物

「…真菜さん、一人で何してるんだろ」

 風呂から上がり、瑞穂の髪を乾かしていると小さく呟いた。

「確かに、俺の部屋で何してるんだろうな」

部屋で一人にさせてしまっている。いたずらされてないといいのだが。

「クローゼット開けられてないといいね」

「クローゼット?」

俺は首を傾げた。

「私の…バニー服あるから」

「あー…」

俺は苦笑いした。

「それ以外は変なものないよね」

「さて、どうだろうな?瑞穂も知らないだけで、俺は隠し持っている物があるかもしれないぞ?」

もちろんないのだが、いたずらっぽく言ってみた。

「そもそも、隠したい物ってそんなにある?」

「思春期の男子にはたくさんあるでしょ」

「何それ」

瑞穂は呆れたように言った。

「安心しろ。俺は隠し持っている物なんてないから」

乾いたのでドライヤーの電源を切った。

「ないならないって言えばいいのに。それより、ありがとう」

「ああ。ちょっとからかいたかっただけ」

笑いながらドライヤーを置いた。


「よぉ、弥生。一人で何してた?」

 部屋に戻るとスマホをいじる弥生の姿があった。

「あ、おかえり。ずっとスマホ見てたけど?」 

「なら安心だな」

笑いながらベッドに座った。

「何?エロ本でもどっかに隠してるの〜?」

「生憎、そんな物はないぞ」

自慢気に答えた。

「本当かな?探したほうがいいんじゃない?」

にやにや笑いながら瑞穂を見た。

「え…本?」

瑞穂が俺を呆れたような目で見た。

「本当にないよ。さっきも言ったけど」

「でも、住菱くんえ…だから信じられないな」

肝心なところで声が小さくなった。

「なんで小声になってるの?そこははっきり言うべきだよ」

「言わせようとしないで。絶対言わないから」

ふんと顔を背けられた。

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