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9 適切な距離

「やっと二人きりだね」

「!?」

 食事を終えて風呂場に来ると後ろから目隠しされた。

「み、瑞穂?何やっているんだ…?」

「ん?住菱くんの視界を塞いでいるの」

瑞穂は笑いながら言った。

「なんで…?」

「嫌だった?」

「えっ!?」

思わず声が裏返った。

「なんでそんなに慌ててるの?」

「急にされたらそりゃ驚くでしょ」

瑞穂は可笑しそうに笑った。

「可愛いんだから」

俺にもたれかかって抱きしめてきた。

「瑞穂…どうしたんだ?」

「甘えちゃだめ?」

瑞穂が不貞腐れながら言った。

「そんな訳ないじゃん。好きなだけ甘えればいい」

瑞穂に向き直って抱きしめた。

「住菱くんの家なのに甘えられなかったから今甘える」

「弥生はこういう姿を見たいんだろうな…」

瑞穂は首を左右に振った。

「恥ずかしいから見せないよ」

「まあ、見られていいもんじゃないよな」

俺は苦笑いした。

「寝る時は私が真ん中で寝るから。絶対だよ」

「え、うん…?」

俺は困惑しながら頷いた。

「住菱くんの隣は私しか許さないから」

「…ずっと隣にいたよね?食べる時は違ったけど」

部屋で話していた時も、瑞穂が真ん中で俺はずっと隣にいた。夕食は飛鳥が隣に座っていたが、それはいつものこと。俺と瑞穂が向かい合うように座っている。そのため、弥生は瑞穂の隣に座っていた。

「一応言っておきたかったの。言わなくても住菱くんは私の隣に居て、真菜さんとは距離をおいてくれたけど…」

「友達だから適切な距離を保つべきだと思って」

「住菱くんはさすがだね」

瑞穂は微笑んだ。

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