1 ほかに好きな人いたんだな
「来週、中学の頃のお友達と会うことになりました!」
瑞穂が嬉しそうに報告してきた。
「おーいいじゃん」
「好きな人に会えるのってうれしいですね!」
(好きな人??)
男なのか?俺よりも好きなのか?じゃあ俺が付き合っている理由は…
「瑞穂…俺のほかに好きな人がいたんだな」
「あ…違いますよ!」
瑞穂が慌てる。
「好きな人というのはええっと…友達としてという意味で…!」
「ああ…」
もう俺はお役御免なのだろう。短い間だったな…
「三井さんも会ってみてください!きっとわかってくれます!」
「あ…」
俺は過去のことなんて知らないけど本当は好きな人がいたのかもしれない。付き合っていなかったけど高校で離れてしまって。俺みたいなよくわからない奴と付き合えって親に言われて。
「私の言い方が間違っていました。本当にごめんなさい」
「いや、いいって。俺なんかより自分が好きな人のことを好きなままでいなよ」
「三井さんっ!!」
俺は自分の席に戻って行った。
「三井さん、本当に違うのです!」
休み時間になるなり俺の席へ走ってきた。
「好きな人っていうのは…女の子です」
恥ずかしそうに言う。
「それ、本当か?」
(百合だ。百合なのか!?)
俺は目を見開いて瑞穂の話を聞く。
「だから、恋愛として好きという意味ではなく友達として好きなのです…わかってもらえましたか?」
「なんだ友達か…」
「なんでちょっと悲しそうなのです?」
瑞穂にはわからないだろうな。まあいいだろう。
「まあわかった。そういうことなら俺が間に挟まらなくてもいい。二人で遊んできなよ」
「でも、三井さんのことも紹介したいななんて思っていたり…」
瑞穂が恥ずかしげに言う。
「いいのか?せっかくの機会なのに」
「はい!きっと喜んでもらえると思います!」
ここまで言われたらいいのだろう。俺も行くと決めた。




