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2 安田財閥の娘

 両親に紹介されたのは日本三大財閥のうちの一つ、安田財閥の娘だった。

 名前は安田瑞穂。可哀想に、俺みたいな変な趣味を持った人間と結婚するかもしれないなんて。まあ、バレなければいいんだ。バレなければ。

「同じクラスか…」

クラス分けの名簿を見れば俺と安田が同じ場所に書かれている。

 教室に入っても、安田のことは顔も声も知らないのでわからない。

「ねぇねぇ」

近くで女子の声がした。

「あの人かっこよくない?」

「え、わかるー」

俺をチラチラ見ながら話す二人の女子。

(安田があんな感じだったら嫌だな…)

笑顔で性癖を狂わされた俺が何を言っているんだという話だが。

 すると、チャイムが鳴ってホームルームが始まった。

「安田瑞穂」

「はい」

優しい声で返事をする女子。

(あれが…)

可愛らしい顔でありながらも背が高く、高一とは思えないほど起伏のある体は男子生徒を釘付けにしている。

(まるで俺の好みと正反対だ!)

俺の馬鹿め。こんな子が結婚相手と言われたら男は喜ぶべきだろう。

 心の中とはいえ、一瞬でも失言をした俺を殺してほしい。

(そうなのか、俺が死ねばあの子はもっといい男と結婚できるのか…)

 しかし、俺には三井財閥の将来が掛かっているので死ねないが。

(あの子、ライちゃんと同じ髪型なんだな)

 安田は茶髪にハーフツイン、ライちゃんは紫髪にハーフツイン。安田が笑った姿を想像したらライちゃんに見えるような気が…。

 そんなことを考えていたらチャイムが鳴り、ホームルームが終わった。

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