11 癒しのお願い
「飛鳥がお前達に会いたがってる」
「飛鳥ねーちゃんが!?」
國元が目を見開いた。
「週末、会ってくれるか?」
「いいぜ!」
「もちろん!」
二人とも笑顔で了承してくれた。
「ありがとう…あの頃とは随分変わってるけど気にせず仲良くしてほしい」
「当たり前だろ」
國元に背中を押された。
「俺達だって友達なんだから飛鳥ねーちゃんも友達だって」
「…!そうだよな」
にやりと笑う國元に俺も微笑んだ。
「でも、住菱は安田さんとのデートはどうするんだ?」
「…あ」
郁助に言われて思い出した。
「ま、まあ、土日のどっちかで行ければいいんだからさ」
俺は苦笑いした。
「安田さん優先したほうがいいよ。僕達はどっちでも大丈夫だから安田さんとの予定を先に決めて」
「わかった。ありがとう」
気が利く郁助に俺は心から感謝した。
「指輪、週末見に行かないか?」
家に帰ってから瑞穂に電話した。
『いいですよ。土日のどちらにしますか?』
「俺はどっちでもいいんだけど、瑞穂も大丈夫なら土曜日にしない?先週行けなかった訳だし」
『いいですよ。今度こそ見に行けますね』
瑞穂の嬉しそうな声が聞こえた。
『…あの』
躊躇いがちに言われた。
「どうした?」
『電話もいいですけど、直接会って話したいなって思ってしまいます』
「…かわいー」
瑞穂の言葉に俺は完全に癒された。
「今から家に行こうか?」
『え、本気で言ってますか?』
瑞穂は可笑しそうに笑った。
「本気だよ。直接会って話したいよねー?」
『それはそうですけど…』
恥ずかしそうに言った。
「行こうかな?行っていい?」
『い、いいですよ』
俺は嬉しさで部屋を飛び出した。
「今から行くから!」
『本当ですか!?』
驚く瑞穂の声を聞いてから電話を切り、車を出してもらうように近くにいたメイドに頼んだ。