7 繋がらない郁助
(切られた…)
郁助にも電話しようと試みたけれど繋がる気配がしなかった。
(ショック受けてるんだろうな…諦めよう)
今日話せたら良かったが、本人が話したくないのならやめようと思った。
「硝樺ちゃんに告白されたのか…」
夕食に飛鳥に話した。
「もちろん断ったし、硝樺も俺に断られることで諦められるって言ってた。瑞穂には話したんだけど郁助が全然電話繋がらなくて…」
「郁助?郁助ってあの…?」
「あ…」
飛鳥に三菱兄弟が転校して来たことを話していなかった。
「実は、転校して来たんだ。同じ学校に」
「マジで!?」
飛鳥は目を見開いて立ち上がった。
「もっと早く教えてよ〜久しぶりに会いたいじゃん!」
俺は苦笑いした。
「今どんな感じなの?郁助も大きくなった?」
「そりゃあ、背は伸びたけど相変わらず小さい。國元は背もデカいし筋肉ついてイカつくなってる」
「何も変わってないね〜会いたいな〜」
俺は唇を噛み締めた。
「…わかった。聞いてみるよ」
苦笑いしながら答えた。
「それで?郁助となんで繋がらなかったの?」
「あ、えっと…硝樺と郁助がけっこういい感じでさ。俺のこと好きとか言ってる場合じゃないんだよ」
一通り、関係や今日の出来事を話した。
「付き合わなくなるんじゃない?郁助が浮気許せるなら付き合うだろうけど」
「どうだろうな…聞きたいんだけどな」
月曜日にどんな話をされるか不安だ。