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「お、帰ってきた」

廊下に飛鳥が待ち構えていた。

「デートしてきたんでしょ?」

にやにやと笑う姉。俺はとにかく無視をした。

「あ、その袋。いいじゃ~ん仲いいねぇ」

「疲れたから早く寝てくれ」

「はいはい。後で詳しく聞かせてもらうからね~」

にやりと笑って自室へ入って行った。


 翌日、学校に着くなり瑞穂が近づいてきて俺の胸元に触れる。

「つけてきてくれたのですね」

小声で耳打ちされた。昨日のネックレスのことだろうが距離が近すぎて落ち着かない。

「私もです。ほら」

胸元に手を当てて俺に確かめるように促してくる。

「いや、さすがにまずいって…」

きょろきょろと周りを見渡して誰も見ていないか確認する。

「ネックレス禁止ですから出して見せることができないのですよ」

「わ、わかったよ…」

震える手で触れてみる。あくまで胸元。その下には触れないように…

「あ、つけてるな。わかったわかった」

少し触ってさっと手を放す。

「本当ですか?」

瑞穂が怪しいというように見つめてくる。

「わかったって。あんま触っても変態扱いされるだけだろ」

そっぽ向いて焦る気持ちを落ち着かせる。

「まあ、いいですよ。三井さんにつけてもらえてうれしいですから」

満面の笑みを向けられて俺もうれしくなった。

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