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2 二人きりは嫌

「いいですわよ」

硝樺は涼しげな顔で答えた。

「えっ…本当ですか!?」

「わざわざ会いに来られて断るほうが申し訳ないですもの。それくらい叶えて差し上げますわ」

郁助はぱあっと笑顔になった。

「ありがとうございます!」

「お安い御用ですわ」

硝樺は微笑んだ。

「じゃあ、俺達は席を外したほうがいいか?」

「なぜですの?」

俺が立ち上がろうとしたら硝樺に睨まれた。

「二人で話したほうがいいだろ?」

「あなたにとって幼なじみでも私にとっては初対面。二人きりなんて嫌ですわ」

「お前、嫌って言い方はないだろ」

俺は顔をしかめた。

「同じことを二度言わせるつもりですか?せめて、視界に入る場所には居なさい」

そう言って腕を組んだ。

「わかった。一番奥の席に行くからそれでいいか?」

「いいですわよ」

瑞穂の手を取って移動した。

「あいつ、郁助に酷いこと言わないかな?」

少し離れた二人の席を見つめた。

「硝樺さんは酷いことを言う人じゃありませんよ」

瑞穂は苦笑いした。

「とはいえ言い方がきついことあるから郁助が心配だな」

「住菱くん、三菱さんのお父様みたいですね」

瑞穂は可笑しそうに笑った。

「弟みたいに思うことはある」

俺は微笑んだ。

「俺の名前に菱って漢字あるだろ?あれ、三菱財閥から来ているんだ」

「へぇ…」

瑞穂は目を見開いた。

「なんか、家族みたいで俺は気に入ってる」

「…私も早く家族になりたいです」

「十八になったら速攻婚姻届出そう」

その時、はっとなって聞いてみた。

「瑞穂、誕生日いつ?」

「五月七日です」

「過ぎてたかー…」

額に手を当てて悔しんだ。

「住菱くんは?」

「六月六日」

「住菱くんも過ぎてるじゃないですか」

瑞穂は頬を膨らませた。

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