6 郁助の好きな人
「そんなにラブラブじゃお互い気持ちいいだろ?」
「はい!」
「なんでお前に言わなくちゃ…って、え?」
元気よく言う瑞穂に目を丸くした。
「み、瑞穂さん?」
國元まで苦笑いしている。
「住菱くん…気持ち良くなかったですか?」
「瑞穂!そんなこと外で言うんじゃないっ!」
俺は慌てて言った。
「ああ…いかにも幸せそうだ…」
國元が遠い目で俺達を見た。
「郁助もなんか好きな人できたみたいだし」
「く、國元っ!!」
郁助が顔を赤くした。
「郁助…可愛いじゃん」
「住菱まで言わないでよ…」
郁助はますます顔が赤くなる。
「同じクラスの人?」
「違う…それに、学校も違う」
俺は目を見開いた。
「一目惚れなんだけど、すごく綺麗な人でさ…忘れられないんだ」
俺は何度か頷いた。
「忘れられないくらいってどんな人なんだ?」
「髪が真っ白で目が宝石みたいに透き通ってて綺麗なんだ。あと、髪を二つに縛ってた。それに…」
郁助は俺を見た。
「飛鳥ねーさんと同じ制服着てた」
俺は目を見開いた。
「髪が白くて目が宝石みたいって…」
俺は瑞穂を見た。
「硝樺…さん?」
「え、知ってるの!?」
郁助は目を丸くした。
「知り合いなら郁助に連絡先教えてくれ!」
國元も身を乗り出した。
「おそらくと思うが…瑞穂、写真あるか?」
「ええっと…」
瑞穂は慌ててスマホを見た。