3 変なこと考えてる
(何事もないように過ごしてるな…)
学校に行っても平然とした顔で過ごしている瑞穂。弥生に朝からバニーガールのことを聞かれてもちょっと恥ずかしそうにするだけだった。
(あんな恥ずかしがり屋だったのに)
授業中は瑞穂の後ろ姿をじっと見つめていた。
「瑞穂、思ったより通常通りだったな」
放課後、学校から少し離れたところで話し始めた。
「だって、私の様子がおかしかったら他の人に怪しまれちゃうじゃないですか」
瑞穂はにっと笑った。
「住菱くんにしか見せないって言ったはずですよ。頑張って態度に出ないようにしてましたよ」
「頭の中では様子がおかしいうさぎになっていたんだな」
「やっぱり恥ずかしいですし…」
瑞穂は顔を赤くした。
「表に出ないように頭の中だけでそういうこと考えているほうがうさぎよりよっぽど恥ずかしいことだと思うけどな」
俺は苦笑いした。
「住菱くんこそいつも通りに見えましたけど、本当はどうなのですか…?」
瑞穂は顔を赤くして俺を見た。
「瑞穂があまりにも普通すぎたからずっと見てた。見てるだけで変なこと考えてないよ。瑞穂とは違って」
「…!?ぜ、絶対考えてます!私を見ていて平気でいられると思いません!」
俺はにやりと笑った。
「ちょっとだけ考えてた」
「っ!!ほ、ほら!」
本当に考えてなかったけど瑞穂の反応が面白いのでそういうことにしておこう。
「俺はこのまま帰るべきか瑞穂の家に行ってもいいのか…」
もう駅についてしまった。
「来てもらってもいいですけど?」
「来てほしい?」
いたずらっぽく聞いてみた。