11 俺は未だに
「今日、すごく恥ずかしいことばっかりしてます…」
部屋に戻るなり瑞穂はベッドに座って項垂れた。
「自業自得だな」
「クローゼット開けたのは住菱くんですからね!!」
瑞穂は顔を赤くして俺を睨みつけた。
「悪いって。でも、なんで瑞穂は急に欲が強くなっ…」
俺は飛鳥のことを思い出した。
「…住菱くん?」
「瑞穂…」
俺は瑞穂の肩を掴んだ。
「絶対、俺以外の奴にあんな姿見せるなよ!?あと…浮気するなよ」
「住菱くん!?…痛い」
はっとなって手を離した。
「…ごめん」
「だ、大丈夫ですけど…。どうしたのですか?」
俺はその場にしゃがみ込んだ。
「瑞穂が軽い女になってほしくないから…」
『すしに怒られること思ったから』
『エロい』
(あいつも、飛鳥のことを見ただけでそんなことを言ったな)
俺にその感覚はわからない。姉だから?違う。俺は未だにロリコンだから。瑞穂がバニー服着ててもエロいより可愛いとか似合ってるって言葉が先に出るくらい俺は同い年に興奮する気持ちがわからない。
「…瑞穂って周りからどう思われているんだろうな」
「住菱くん?」
怖い。もし誰かに汚されて瑞穂がおかしくなってしまったら本当に嫌だ。だって、あの真面目だった姉がどうしようもないくらい変わったのだから。瑞穂がこのまま変な方向に走って行ってしまったらすごく怖い。
「住菱くん!」
瑞穂の声に顔を上げた。
「こっち来てください」
瑞穂は両手を広げた。
「ま、来てくれないなら私から行きますけど」
瑞穂は俺を抱きしめた。