表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
145/385

5 変な服

「ま、着替えてるならもう切るよ」

『待ってください!』

瑞穂が慌てて言った。

『本当はちゃんと服着てます。着ているんですけど…変な服で…』

瑞穂の言うことに首を傾げた。

「どんな服着ているんだよ…」

俺は呆れて言った。

『前、住菱くんが言ってたバニーガールってこれで合っているのですかね?』

「…え?」

本当にわからなかった。瑞穂が今何をしているのか。

『カチューシャくらいしか私にはうさぎに見えないのですけど…』

「…瑞穂?本当にどうしたんだ?まさかとは思うけどね…」

むしろ焦ってきた。瑞穂が電話の向こうでどんな格好をしているのか。

『やっぱり違うと思いますよね?だって、こんな服…』

「ごめん。本当に切っていいか?」

瑞穂の言葉を聞けば聞くほど混乱してくる。これ以上真実を言われないうちに切りたい。

『え、あ、はい…』

「じゃあ、今話したこと全部忘れるから」

俺は慌てて電話を切った。

(忘れよう。本当に…瑞穂が、瑞穂が着る訳ないだろ)

そう着替えてただけ。変な服なんて着てなかったんだと必死に脳へ焼き付けた。


「住菱くん、おはようございます」

「お、おはよう瑞穂…」

 何事も無かったかのように挨拶をする瑞穂。

(まあ、休み挟んだから忘れたのかな)

俺は瑞穂の様子を見て安堵した。

「住菱くん、わかりましたよ!」

瑞穂は自慢気に言った。

「何を?」

「住菱くんが好きなあれですよ〜」

「……落ち着いてくれ瑞穂」

俺は固まった。あ、いや、そういうことではなく体全体が固まってしまったんだ。

「三井さんが好きなあれ?」

弥生が不思議そうに言った。

「も、もう、住菱くんったら本当に…」

俺は瑞穂の口を慌てて塞いだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ