3 どう思った?
「またカラオケかーま、楽しかったしいいや!」
俺はまた三人でカラオケに行こうと誘った。
「…飛鳥のこと、どう思った?」
俺はソファに座って國元に聞いた。
「どうって…すしに言ったら怒られること思った」
「なんだよ。不真面目とか不潔とかそんなやつ?」
「いや…」
國元は俺の隣に座って耳打ちした。
「エロい」
「…なんで飛鳥ってそう思われるんだろうな」
俺はため息をついた。
「あんな姉が居ても何も感じないのか?」
「感じない。それどころか好みじゃない」
「お前なぁ…」
國元は立ち上がった。
「あれは好みとかそういうもんじゃないだろ。無性にそそられる何かがあるだろ」
「俺はそういう感覚がないから」
國元は目を見開いた。
「お前、欲がないのか…?」
「とにかく、お前が思ったのはそれだけか?案外くだらなかったな」
俺はそっぽ向いた。
「俺はお前が悲しむと思った。それか怒る。すっかりかっこよくなんか無くなっただろ、飛鳥も俺も」
「エロかったからむしろ許す」
國元は親指を立てた。
「お前はそんなんでいいのかよ」
「だって、変わったってことは何かあったんだろ?六年も時間あったならそりゃ変わることもある。でも、別にいいんじゃね?悪くなってても良くなってても俺達は友達だから」
郁助も頷いた。
「住菱と飛鳥ねーさんに何があったのかまだわからないけど、また会えたんだから焦らずゆっくり話していこうよ」
俺は目を見開いた。
「二人とも、なんでそんなふうに言ってくれるんだ…?」
「僕達もカラオケ誘ってもらって思ったんだ。楽しかった。本当はもっと住菱と楽しいことしたかったんだって。住菱にはいろいろ聞いちゃって負担かけてたよね。本当にごめんなさい」
郁助は頭を下げた。
「それから、誘ってくれてありがとう」
郁助は顔を上げて笑顔で言った。