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1 一人ぼっち

「ライちゃん!!俺は告白してしまったあああ!!」

家に帰るなりクローゼットに飛び込んだ。

「ライちゃん…今までありがとう…。俺はもうライちゃんを諦めなければいけない」

見れば見るほど思い出が蘇る。俺の初恋だった。俺はライちゃんを忘れない。

 クローゼットから出て床に座り込んだ。

(俺はこれから瑞穂と幸せになるって決めたんだ)

立ち上がり、両親に報告する決心をした。


「親と話すだけで疲れるよなー」

部屋に戻ってきてため息をついた。

 両親の前で敬語を外すことはできない。下手なことを言えば今後に関わるので常に気が張っている。

(まあ、吉報なだけあっていつもより喜んでくれた…)

ちょっと、嬉しかった。


 翌日、今日で早帰りも最終日になった。

「おはようございます」

「おはよう」

瑞穂は俺に会うなり挨拶をしてくれる。

「…」

瑞穂は俺を見つめて何も言わない。

「どうしたんだ?」

俺は首を傾げた。

「えっ。えーと…何でもないです」

瑞穂は苦笑いして席に戻ってしまった。

(絶対何か間違えたー!)

女子の何でもないは何でもなくないとはよく聞いた話。

(なんて言うのが正解だったんだ?)

休み時間になり、

(聞きたい)

また休み時間になり、

(聞きたい)

またまた休み時間になり、

(聞きたい)

キーンコーンカーンコーン。

一日が終わってしまった。

(結局、一言も話せなかった…!)

安田は休み時間になるたび教室から出て行っていた。

 追いかけようとしたけれど、廊下に出ても瑞穂の姿がなくて追いかけられなかった。

(毎度毎度どこに行っているんだ…?)

正式に付き合うことが決まった男に一言も話そうとしないなんて悲しすぎる。

 もう教室に彼女の姿はない。俺は一人寂しく帰ることになった。

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