12 告白
「私、三井さんが同じ学校で良かったです」
落ち着いてから安田は話し始めた。
「同じ学校だったからお付き合いの話もあって。そのおかげで三井さんとお話できているのですから」
安田は笑顔で言った。
「…俺も、安田は優しいし面白いから良かったと思ってる」
俺は目を逸らしながら言った。
「いつの間にか一人称が俺になっていますね」
指摘されて気がついた。
(もう俺、安田に心許してる…?)
安田のほうを見た。
「俺はもう、安田のペースに合わせられているみたいだな」
俺はふっと笑った。
「俺達、もともと結婚を前提に付き合う予定だったんだよな」
俺は安田の前に立った。
「まだ普通に考えたら付き合うには早いかもしれない。でも、俺も安田となら幸せになれる気がしてきた」
俺は手を差し出した。
「俺と、結婚を前提に付き合ってください」
安田は俺の顔を見つめた。
「はい。よろしくお願いします」
両手で俺の手を包み込んだ。
出会ってたったの二日。しかし、彼女には不思議と長続きできるような幸せになれるような…そんな魅力があった。決めるのが早い気はするが、そんなこと気にするな。
両親の期待に答え、彼女と幸せな家庭を築く。俺が決めたことなのだから実現してみせよう。