10 全員集合
「引くほど当てるじゃん…!!」
三発撃って三発とも小さなお菓子を当てられた。
「これがイケメンの力か…」
「二人にあげるよ」
お菓子が入った袋を二人に差し出した。
「三井さんが当てたのにいいの?」
「いいよ」
「やっぱり三井さんはイケメンのレベルが違う!」
弥生は袋を受け取った。
「瑞穂ちゃんどれがいい?」
「私は…」
楽しそうな二人の姿を見守った。
「もうすぐだね」
花火が始まる時間が近づいてきたので見えやすい場所に移動した。
「楽しみです!」
瑞穂が笑顔を見せた。
「いたいた〜」
飛鳥と硝樺もやって来た。
「あなたは…!」
硝樺が目を見開いた。
「知り合い?」
「俺の姉と瑞穂の友達」
弥生はなるほどと頷いた。
「君は誰かな?」
飛鳥が弥生の目の前に立った。
「弥生真菜です。瑞穂ちゃんと三井さんのお友達やってます」
「真菜ちゃんか〜。あたしは三井飛鳥。住菱のお姉ちゃんやってます」
飛鳥と弥生は握手を交わした。
「瑞穂ちゃんのお友達もはじめまして!」
「私ははじめましてではないですけれど…如月硝樺と申します」
硝樺も頬を膨らませながら手を出した。
「硝樺ちゃん!よろしくね〜」
弥生も手を取って握手した。
「って、はじめましてじゃないの?」
「ええ、実は。あの三井住菱とかいう人のせいですわ」
「俺のせい言うな」
硝樺を睨みつけた。
「本屋に立ち寄った時、あなたと三井さんが話している姿を偶然見ましたの。浮気しているのではないかと疑ってしまいましたわ」
「私が三井さんの浮気相手!?ないない!絶対ないから!」
弥生が笑って受け流した。
「三井さんは瑞穂ちゃんが居れば幸せだもんね」
「ならば安心ですわ。勝手に疑って申し訳ございませんでしたわ」
硝樺は小さく頭を下げた。