表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/379

6 怒らないの?

「いつもなら抱きしめてくれますよ?」

「はっ!?」

硝樺は口元を押さえた。

「瑞穂、わざわざ言わなくても…」

俺は苦笑いした。

「ま、まあいいですわ。瑞穂さんが嫌じゃなければ私は口出ししませんわ」

硝樺はそっぽ向いて腕組みした。

「怒られると思って頭撫でるに留めたのに抱きしめても怒られなかったのか」

ちょっと残念だった。

「あなた、私を何だと思っているんですの…」

硝樺は俺を睨みつけた。

「ほら、そういうとこ。抱きしめたりしたらそれこそ殺されると思った」

「ふん。一応、あなたは瑞穂さんの婚約相手ですし多少のスキンシップくらいで怒りませんわ」

「ふーん…」

俺は瑞穂を見た。

「今さらだけど抱きしめようか?」

「えっ!」

瑞穂は顔を赤くした。

「恥ずかしくないのですか…?」

「許してもらえるなら見せつけようと思う」

「無理矢理抱きしめようとしたら許しませんけど?」

硝樺の目が鋭くなった。

「いい?」

「い、いいですよ」

俺は瑞穂の体を抱きしめた。

「戻って来るの遅いよ」

「ごめんなさい…」

きゅっと服を掴まれた。

「俺が満足するまで離さないから」

力を込めて抱きしめた。

「なんですの…!見てるだけで暑くなってきますわ」

硝樺が手で仰いだ。

「見せつけるって言っただろ」

顔を上げて硝樺に向けてにやりと笑った。

「あなたは黙っといてください。私は瑞穂さんだけを見ているんです」

硝樺はふんと鼻を鳴らした。

「本当に恥ずかしくないのですか…?」

瑞穂が俺にもたれかかった。

「なんで?」

「硝樺さんに見られると恥ずかしいです…」

声が震えている。

「瑞穂さん…?」

硝樺が目を見開いた。

「は、離れます」

瑞穂は顔を赤くしていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ