12 いい子
(親から許可もらったし、メイドも派遣してもらえる)
電話のあと両親に話した。風呂も入ったので、部屋に戻って少ししたら瑞穂に電話する予定だ。
「元気だな」
階段を上がっていたら後ろから声がした。
「父上…!」
一段飛ばしながら上がっていたので怒られるかもしれない。
「申し訳ございません」
「謝らなくていい。瑞穂さんと仲が良くてよかった」
そう言って俺の肩に手を置いた。
「ありがとう」
それだけ残して階段を上がろうとした。
「父上!」
慌てて父さんを引き止めた。
「瑞穂さんと出会えて良かったと思っています。父上のおかげです」
「…お前はいい子だ。だから瑞穂さんにも好かれたのだろう」
また階段を上がって行った。
(いい子…か)
歯を食いしばって駆け足で部屋に戻った。
『元気ないですね』
「え?」
瑞穂に電話を掛けたら突然そんなことを言われた。
「そんなことないよ。俺は元気だよ」
『そうですか…?』
心配をかけてしまって申し訳ない。
(父さんのいい子って言葉が引っ掛かるんだな…)
飛鳥のことは信頼していないのに俺だけ特別扱いされているようで気に入らなかった。それに、俺は心から瑞穂が好きなのに父さんには伝わっていないような気がした。
『元気ない時は早く寝たほうがいいですよ』
「元気だけど…まあ、今日は早めに寝ようかな」
苦笑いしてベッドに寝転がった。
『住菱くんが寝るまで私は寝ません』
「とか言って先に寝そうだけどな」
『悩み事がある時は寝付けないことが多いです。私がいるので考えることはやめて安心して寝てください』
瑞穂は優しい。そんなに深く考えていたことではないけれど、言われた通りすぐ寝ようと思った。




