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9 毎日会いたい

「瑞穂ちゃんに聞いてみよー!」

飛鳥は拳を握り締めて突き上げた。

「…聞くだけ聞くか」

 部屋に戻ってからメールしようとした。

(打とうと思うと緊張する…)

逆に電話で話した方が言いやすい気がした。試しに掛けてみたら、

『三井さん?』

「繋がった!?」

驚きで声が大きくなった。

『ん?繋がってますよ』

瑞穂が不思議そうに言った。

「わ、悪い。軽い気持ちで掛けてみたんだが…ちょっと聞きたいことがあって」

声が少し震えながらも話す決意を決めた。

「夏休みの間、俺の家に泊まらない?」

「え…」

俺は息をのんだ。心臓の鼓動がバクバクする。

『数日くらいならいいですよ』

「え、あー…うん。それもいいんだけどさ」

夏休みの間ずっとを期待していたがそれはさすがに厳しいのだろう。

「やっぱなんでもない。数日ね。わかった」

『それ、なんでもなくない話じゃないですか』

不満気な声で言われた。

「いやー夏休みの間ずっとを期待していたんだけど、それは厳しいよね」

『厳しいと思いますけど…両親に聞いてみましょうか?』

「いや、聞かなくて大丈夫。俺のわがままだった」

瑞穂はしばらく黙ってしまった。

『住菱くん、そんなに私に会いたいのですか?』

「会いたいよ」

食い気味に言ってしまった自分に羞恥が襲ってきた。

「やばい。さすがにキモかったか?」

『…いいえ。嬉しいです』

瑞穂が吐息交じりに言った。

『できることなら住菱くんの望み通りにしてあげたいのですが、両親だけに家を任せるのは心配というか…』

「あ…」

自分が馬鹿なことを言っていたことに気づかされた。

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