7 試さない?
「…まあ、初対面の人に礼儀正しく接するのは当たり前じゃん?」
「それはそうですね。私達は財閥の跡継ぎですし」
「…別に、瑞穂は無理にタメ口なんか使わなくてもいいんじゃない?俺は話しやすいからこんなしゃべり方してるけど」
瑞穂は頷いた。
「でも、住菱くんみたいな話し方いいなって思ってます。クラスの皆さんもそんな話し方ですし…」
「いや、瑞穂は使い分けできる自信ないなら敬語のままがいい」
俺は厳しく言った。
「…は、はい」
瑞穂はきょとんとした顔で頷いた。
(財閥の跡継ぎだし、何か間違えたら今後に関わるかもしれない)
瑞穂を守るためにも余計な口出しはしないようにしようと思った。
「家も遠いし、そろそろ帰るか」
しばらくして俺は立ち上がった。
「ツインテール瑞穂と別れるのも名残惜しいけど」
「またうさぎカフェ行くときはやりますよ」
「ほんと!?」
瑞穂はにっこりと笑った。
「あ、でも俺気になるとこあるんだよね」
「どこですか?」
一旦、店を出てから話した。
「この近くの公園、カップルが別れるって有名らしい」
「…え?」
瑞穂は顔をしかめた。
「でも、ここは人が多いから俺がしたいことできないんだよねー」
「何するつもりなんですか?」
俺を睨みつけてきた。
「それは言えないけどさ。とりあえず人目につかない場所に行きたい」
「だからってそんな公園に行くのですか?」
瑞穂は不満気な顔をした。
「試したいじゃん?絶対結婚するって決まってる俺達が公園ごときで別れるのか」
「そんな怖いこと試したくないです」
瑞穂は首を振った。




