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神さまの器〜母ちゃんと僕と、ときどき阿修羅〜最近、母ちゃんと阿修羅の距離感が近いのが気になるんだけど……  作者: 黒砂 無糖
阿修羅と母ちゃんと僕

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混迷する羅刹 

チクショー



ドカ!バキバキ!バリン!ドカンドゴッ!




「はあ、はあ、チクショウ!」




羅刹部隊の拠点として使っている小屋を

一部だが、やさぐれて、破壊しまくった。



ドサッ



オレは屋敷の中央の板間に、ゴロリと転がり


蜘蛛の巣が張った天井を見上げた。




——どいつもこいつも裏切りやがって




手下に幻世を襲撃させる度に、

ごっそりと、手駒が減らされたから



幹部の闇落ちした狛犬を送り込んだのに



——結界を張っていた狛犬、あれそうだよな



何故か、奴は闇から光へと変わっていた。



「あいつに、相方がいたよな?もしかして、再び顕現できたのか?」



ならば、仕方ないかもな。狛犬の闇落ちは、相方が不在だったからだ。納得は出来る



問題は、夜叉だ。



アイツは、面白がって参加した癖に、

襲撃中に急に手のひらを返した。



——裏切りやがって



「チクショウが…」



——そもそも、何で神がいるんだよ?



迦楼羅からは、幻世は神が干渉していないと、見捨てられたのだろうと聞いたが…




「騙された…そもそも、迦楼羅が幻世の話を持って来た時に、弱い奴の世界だと聞いたから襲ったのに…」


あの時に、手下はごっそり削られたんだ。




今回は、夜叉と嫌がらせするつもりで

向かったんだがな…ああ…ムカつくなぁ

 



散々破壊して落ち着いたはずなのに、

夜叉の裏切りを思い出して、腹が立ってきた



ドンッ!バキバキッ!



しまった!横になったまま床を殴ったので、

力加減を間違えて、床を割ってしまった。




「あーあー、馬鹿だなぁ、こんなに壊したら、拠点として成り立たないじゃないか」



自分でも、やらかしたと思った時に、他から言われると、ムカつくもんだ。




しかも、行って来た相手が、

裏切り者の張本人なら尚更だ!





「夜叉!キサマ!何しに来やがった!」



オレは飛び起きて、夜叉に向かって

飛びついて殴ろうとしたが…




「やめとけ、お前じゃ俺には絶対勝てん」



と言って、サラッと交わされた



俺は、空振って体勢を崩しかけたが、

何とか転ばず立て直した




「ぐぬぬっ…裏切り者が!何の用だ!」



ギリギリと奥歯を噛み締めながら、

夜叉を睨みつけてやった。




「帝釈天が、裏で手ぇ回してるぞ」



夜叉は床に座ると、持って来た酒を

グビッと飲みながら、情報を伝えてきた




「なんだと!じゃあ、アイツらは帝釈天の手駒なのか?」



通りで強いはずだ…




「いや?違う。アイツらは阿修羅の仲間だ。お前の部隊、阿修羅の仲間に潰されたんだ」



——は?何で阿修羅が




「阿修羅は、こっち側だろうが!」



俺達は、共に、帝釈天に喧嘩売りに行った

仲間だったろうが…




——違うのか?




「阿修羅は、九尾に話し合って来るように、使いとして送ったらしいが、お前の手下が、騙し討ちして…九尾に消されたらしい」



手下共…九尾に喧嘩売るなど、

相手を見誤ったのか?



——それとも、バカだったのか?



「手下がバカなのは理解した。まさか、影達も同じだったのか?」



影達なら、話は通じたのでは…



夜叉は、グビグビと酒を煽り


「影達は、何も言わずいきなり襲撃したみたいだ。あっさり八咫烏の返り討ちで消されたみたいだな」


と言って



「お前、バカだよなぁ?あははは!」



と、腹を抱えて笑い出した。




「くっ、お前だって、参加したじゃ無いか」


知らなかったのは夜叉も一緒だ。

夜叉は、飲みながら、にやにやしているが




——人の事は、言えない筈だ




「ん?待てよ、狛犬は、違ったのか?」



そもそも、何で相方が…

良く考えると、見た目も違ったか?




「アイツは、律儀だからな。とりあえず強い力の元に向かって、ひたすら吠えただけだ」



夜叉は、ゲラゲラ笑いながら



「厨二病モードで吠えてたら、諭され、癒され、今や忠犬だぞ。誰かと違って賢いよな」



夜叉は笑い過ぎてヒーヒーと苦しそうだ



「因みに俺は、対峙した時にすぐ阿修羅を認識したぞ。遊びながら話を聞いたぞ」



何だよそれ、オレがまるで…

話を聞かない奴みたいじゃ無いか



「何でオレには何も言って来なかった…?」



いや、待て、なんか言ってたな…

オレは戦闘時に何か聞いた様な気がした





「羅刹!とりあえず話を聞いて下さい!」


「ウルセェ!狐!キサマがそもそも、オレの手下を消したじゃねぇか!」


「おい、羅刹!迅は話し合いに行って、総攻撃されただけだ!」


「八咫烏。関係ない奴は黙ってろ!隙を見せたやつが悪い!」


「羅刹!お前がちゃんと手下を管理してないから、僕も殲滅したんだよ!話を聞け!」


「知るか!そんな事より——お前ら!2対1とか、卑怯じゃねぇか!1人ずつ来いや!」







——奴ら、戦闘中になんか…言ってたな



うん…オレ、話聞いてなかったな




「羅刹、お前ってやっぱバカだよな」



夜叉は、ニヤッとしてオレをバカにした




「で?阿修羅が幻世を守ってるのは、分かったが、帝釈天は何なんだ?」


まさか、阿修羅と手を組んでいるのか?



「お前、帝釈天の思惑に利用されてんぞ?」


オレを残念そうに見ながら、夜叉は話す




「思惑?どう言う事だ?」


分からんが、何か裏があるのか?




「どうも、帝釈天は幻世が気に入らんみたいでな?自分は動かず、お前に暴れさせた上で幻世に住まわせ、諸共潰すつもりらしいぞ」




——なん…だと?




「それは…本当か?」


じゃあ、話を持って来た迦楼羅は?




——まさか、帝釈天の手先なのか?




「最初から、迦楼羅に騙されていたのか?」



だとしたら、かなりショックだ。



——許せんな



腹の底から怒りが湧き出て来る。




夜叉が、入り口付近に顔を向けて


「それは俺に聞いても分からんぞ?本人に聞くといい。なぁ、迦楼羅」



その言葉に振り返った、俺の視線の先には、

ヘラヘラした笑顔の迦楼羅が居た。




「迦楼羅…オレを裏切ったのか?」




迦楼羅が、困った顔でコチラを見ている。



「夜叉、勝手な事言わないでください、前にも言ったはずです。羅刹が勝手に解釈しただけでしょう?」



迦楼羅は、否定しているが…どうだかな


どちらにせよ、帝釈天お前だけは許さんぞ






羅刹は、暴れてる事しか考えてないのですが

利用されるのは非常に心外なんです


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