第1話 「転生、そして始まり」
「ここは...何処だ?」
気がつくと、辺り一面に草原が広がっている。空は雲ひとつ無い快晴だ。僕はどうやら、異世界転生してしまったらしい。
遡ること30分前まで、俺は黄泉彼方27歳として元々の現実世界の地球に住んでいた。
俺は、死ぬ直前、銀行にいた。お金を下ろそうかと考えて来てみたものの、お金を下ろそうとした瞬間、後ろから人が襲い掛かってきた。
その人はお金目的で入ってきたようで、包丁を持っていた。いや、持っていたとは違う、俺を既に刺していた。助けを呼ぼうと叫ぼうとしたが、あいにく、口座は完全個室の防音だから太刀打ちが出来なかった。
その後、俺が倒れたことを見るとお金を取って逃げていった。まだ、その時は意識はあったものの、体が熱かった。危険な前兆だと察し、俺はそのまま眠りについた。
そして、目を覚ますと、銀行ではなく草原にいて、刺された傷も無くなっていた。それがここまでの経緯だ。
「さて、どうしたものか。」
当然だ。俺の体は人間としての形はあるものの、身体が軽く、背も小さい。しかし当然顔が分からない。他にも、衣食が無い。ここがどのくらい危険なのか分からないetc...上げだしたらキリがない。
「まず最優先は村を発見することだな」
そう言って村を探したが、村が一向に見つからない。半日探し回ったが、見つかることはなかった。
諦めかけたその時、ある1人の少女が話しかけてきた。
「1人でいるのですか?子供が単独で行動してると危ないですよ。」
少女は背丈は今の僕とあまり変わらないくらいで、顔は端正に整っている。髪はコーヒーブラウンで、人間のようだった。
あと...子供?少女は僕のことを子供と呼んだ!?僕は子供になってしまっていたようだ。少女も子供のようなので、反論してみた。
「そっちこそ、子供だろ。単独行動してると危ないんじゃないか?」
「大丈夫だよ。私だからね。」
なんなんだその謎理論は!?とツッコミたくなったが、ひとまずおいておいた。状況打開のため、話を切り替える。
「ところで、あなたの名前は何?そして、住んでる所はどこなの?」
「私の名前は、キナ。住んでる所は、ここから西に10キロ先にあるヴィンハントという小規模な街だよ。所であなたこそどちら様なの?」
「僕の名前は...」
僕の名前は黄泉彼方だが、異世界ではこの名前は不自然になってしまうだろう。だから、苗字からとって、ヨミと名乗ることにした。
「僕の名前はヨミ。住んでる所は無いな。」
「どこにも、住んでないの!?ホームレスとか言うやつ?」
「そう。それだ。だから、キナの住んでる街に行ってみたいのだけど、ついて行っていいかな?」
「もちろん構わないよ。むしろ大歓迎だよ。」
「ありがとう。」
僕はキナについて行き、ヴィンハントへと向かった。そうして、僕ヨミと、キナの異世界生活が始まった。
どうもこんにちは聖 きりです。少年少女異世界記読んで頂きありがとうございます。これからスクールデスゲームと並行して、頑張って行きたいと思います。
今日の一言
スパンの維持が厳しい...