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悪夢  作者: 佐藤 秋輝
1/3

少年とあの日の記憶

長編作品を書くのは初めてなのでまだ下手かもしれませんが、面白い作品なのでぜひ読んで下さい。

「もうやめて…お願いだから…」


「バサッ!」

「ハァハァハァ、またこの夢か…」

僕は布団を跳ね飛ばしながら目を覚ました。この夢を見た日は決まって朝から気持ちが悪い。なぜならこの夢は僕が一番思い出したくない出来事の記憶だからだ。

「何で最近この夢ばっかり見るんだろう。もう忘れたいのに…」

そんな事を呟きながらとりあえず顔を洗う為に洗面所に向かった。鏡で自分の顔を見ると酷い顔をしていた。顔を洗い終えすぐにある薬を飲んだ。この薬は病院で出してもらった薬で詳しいことは知らないが、この夢を見たらすぐにこの薬を飲めと言われた。

「ゴクッ。ふぅ、さて行く準備でもしますか」

薬を飲んだ僕は制服に着替えて学校へと向かった。

「ハァハァ、この薬を飲んだ日はいつも疲れるから嫌なんだよな」

そう何故かこの薬を飲んだ日はいつもの何倍も疲れる。普段は全く疲れることのない通学も今日は息を切らしながらだった。こんな生活を始めてからもう6年近く経つ。僕がこんな生活を送る様になった原因は6年前のあの事件だった。僕がまだ小学校に入学したばっかりのころ僕は誘拐された。そこで僕は未完成の薬の実験台にされた。ご飯もしっかり食べさせてもらえず、その代わりにたくさんの薬を飲まされた。日に日に僕の体調は悪くなり、朝起きると激しい吐き気に襲われ、寝ようとすると頭が割れそうなくらい痛くなるなど普通の小学生ではあり得ない症状がでていた。だが、薬を飲むと少し楽になるような気がした。だからその苦しみから逃れるために薬をどんどん飲んでいった。誘拐から3か月後、僕は警察に保護された。だが、その時すでに薬づけになっていたので日常生活に戻るのに1か月もかかった。幸いにも何の病気も発症していなかった。だが、精神的な面でいろんな問題が出てきた。それは、毎日あの研究所にいたときの夢を見て魘されていることだ。相当酷いことをされたのだろうと周りの人は慰めてくれた。この頃からあの薬を飲むようになった。最初のころはほとんど毎日飲んでいたけど3年も経ったころにはほとんど飲まなくなっていた。だが、ここ2,3か月は何故かこの夢をよく見るようになっていた。理由は分からなかったけど病院の先生の話によると中学校という新しい環境にまだ混乱しているかもしくは、誘拐されたときに状況が似ているからフラッシュバックしているのかもしれないなとのことだった。僕は今日もいつも通り授業を受け、いつも通りに帰ろうと思っていた。だが、一時間目が終わり教室を移動しようとしたその時いきなり僕の意識が消えた。気が付くと僕は保健室のベッドの上にいた。

「透哉くん大丈夫?急に倒れたっていって運ばれてきたけど」

「大丈夫です。少しくらっとしただけですから。それより今何時ですか」

「もう少しで4時間目が終わると思うけど」

「ありがとうございます。では教室に戻りますね」

「体には気を付けてね。あまり無理しないように」

「はい。失礼いたしました」

どうしたのだろうか、今日は体がおかしい。やっぱりあの薬の副作用なのだろうか。

「透哉、もう大丈夫なのか」

「ああ、なんとかね。心配かけてごめん」

「いや、別にいいけど、あんま無理すんなよ」

午後の授業を終えた僕はすぐに家に帰った。家の鍵を開けようとしたその時、鍵が開いていることに気づいた。お母さんはまだ仕事のはずだし、お父さんは今出張中で北海道にいるから今は家に誰もいないはずだ。どうせお母さんが鍵を閉め忘れたのだと思い家の中に入った。自分の部屋へ向かおうとしたその時、背後から口元を布で塞がれた。抵抗しようとしたが布に染み込んだ薬品を吸い込んでしまい気を失ってしまった。


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