ep3
まだ雪の残る北海道箱館市〜ハコダテシ〜海あり山あり、だけど町には何でもあるこの町で今日から箱館西高等学校の1年生になるナナを連れて、俺は何時もの通学路を歩く。
「四月とは言え、やっぱ北海道はまだ寒いわな…」
「春休みはだいたい家でのんびりしてたしねー…」
「まぁ俺は部活でいろいろ行ってたけど、ナナ1人にしたら心配だしな。」
「気を使わなくてもいいのに…お兄ちゃんがいない時は誰かしら来てくれるし、お兄ちゃんが頼んでるんでしょ?今度お礼しないと…」
「まぁあいつらも暇みたいだし、お礼なら俺がしとくからナナは甘えときゃいんだよ。」
京介がそう言い頭を撫でると、七瀬は嬉しそうに微笑む。
「着いたけど、やっぱ混んでんなー…俺が行ってくるからナナはここで大人しくしてろよ?」
「ありがとお兄ちゃん…気をつけてね?」
「任せとけって!」
そう言い七瀬にカイロを渡し、京介はクラス発表の軍団をかき分け突進していく。
「お待たせー!ナナは1組だったぞ?俺も1組だった。ちなみに奴らもまた一緒だったよ…ナナのクラスにも知った名前が何人かいたから安心しろ。」
「ほんと?ちょっとホッとしたな…お兄ちゃんのクラスも訪ねやすいし…」
「まぁ友達なんざすぐ出来るけど、最初はその方が安心だよな?そしたら行こうか?」
「うん!」
京介と七瀬はそれぞれのクラスへと足を進める。




