エピローグ
「粕谷浩一郎作成 国際テロ組織地天海によるテロ事件調査結果最終報告書」より一部抜粋
一昨年に太平洋で発生した、大規模な爆発について
爆心地と思われる海底で、人工物と思われる瓦礫の一部を発見。地天海本部と推定された地点と一致することから、これらがその一部であると思われる。
合わせて月からも観測された大規模な爆発は、地天海の兵器による自爆テロであったと断定する。
昨年四月に欧州で発生した地天海事件について
地天海を名乗る模倣犯の犯行であり、地天海とは無関係であることが確定。
よって二〇四四年八月十ニ日以降の地天海事件は0件となった。
地天海事件の最終的な被害について
死者 約一億人
行方不明者 約四千万人
負傷者 約五千万人
難民 約六千万人
被害総額 約四兆ドル
特設自衛軍について
二〇四四年八月十ニ日以降、地天海によるテロ行為が起きておらず、先の自爆テロと合わせ、地天海は崩壊、事件は完全に終息したと断定する。
それに伴い、当初の予定通り特設自衛軍は二〇四六年十二月三十一日をもって解散とする。
その他
今回の事件で、我々は一人の勇敢な自衛官を失った。
遺憾ながら彼女の犠牲なくして、今回の事件を収束させることは不可能であった。
我々は彼女の犠牲を無駄にしない為にも、その意志を継ぎ、彼女が守ったこの国の防衛、国民の安全、その責務遂行に全力を持って当たらねばならない。
ここにその勇敢な自衛官の名前を記すものとする。
その英雄の名前は――『粕谷万智 准特尉』




