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幼馴染は譲れない!  作者: 揚羽 楓
第三章 ギルドスクール編
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23 第二ラウンド

 私と学長の第二ラウンドが幕を開けた。

 お互いに魔素鎧を用い、拳、魔法による攻撃。

 何回かクリーンヒットはもらったけど、こっちもお返しに何回か返している。


「なかなかやるわね・・・さすがだわ。」

「いえ、学長のほうが凄いです・・・」


 私は加速で体の動き、パンチ、キックを加速しているので、物理的な威力は増しているはずなのだが、学長はそれを受け流す、日本でいう柔術のような動きをしているのであまり効果がないようだ。


『右だ。次は左から水魔法だ。』


 学長の攻撃はとてつもなく効率的だから、動作のすべてが洗練されていてすごく速い。

 トトから攻撃が来る方向を教えてもらい、加速でよけるので精いっぱいだ。


 学長の動き・・・どうにかして遅くできないかな・・・

 

 よし。イメージだ。魔法はイメージさえつかめればどうとでもなる。


 氷点下の世界だ。ここ一体をすべて凍らせるような厚い氷を・・・

 そうだな名前は・・・

 絶対零度アブソリュート・ゼロ!!


 その瞬間、シャルルの中の膨大な魔素が周りを氷の世界へと変えた。

 庭を囲んでいる校舎。庭の草花。時間を刻んでいた砂時計さえもすべてが凍った。

 学長もその例外ではない。

 地面から塔がそびえたっているように体全体を厚い氷が覆い、完全に動きを封じている。


 範囲の設定をあんまり考えてなかったーーーーー!!!!

 どうしよう・・・ 

 

 どーーーーーん!

 

 学長があの厚い氷を弾き飛ばした。

 私は光の盾で氷のつぶてをガード。


 あの厚い氷、壊せるのね・・・

 

 学長は周りを見渡すと、


「あらら・・・ちょっとやり過ぎね。校舎まで凍ちゃってるじゃない。まぁ結界を張って置かなかった私が悪いのだけれど・・・ちゃんと範囲考えて魔法は使用しないと。」

「はい・・・ 。すみません。」

「まぁ、いいわ。続きを始めましょう。言っておくけどあんな攻撃じゃ私は死なないから安心してかかってきてね。」

「はい!」


 私も本気を出して戦うのは初めてだったのでとても楽しくなっていた。

 何かとペースは学長に握られているような気がするけど。


 よし!第3ラウンドだ!!


 私と学長は再び戦闘態勢に入る。


 私が攻撃を仕掛けようと一歩前にでる。そこで制止が入った。


「学長!!一体何事ですか!!」

「あら、副学長・・・どうしたの?」

「どうしたの?じゃないですよ!確かに今日来る新入生を試験するとは聞いていますが、こんな大規模魔法を行使するなんて聞いてないですよ!!授業していた教室も凍り始めるわ、飼育していた魔獣も暴れるわで大変なんですよ!!」

「あら、そう・・・それは悪いことをしちゃったわね。ごめんなさいね、シャルル。今日はこれで終わりのようだわ。」

「全然終わりとかそういう問題じゃないですよ!学長!この校舎や中庭の氷!どうするんですか!?」

「ん~そんなこと言われてもねぇ~やったのは私じゃなくてあの子だし?」


 ですよね・・・責任は私が負うことになりますよね・・・

 学長に指をさされると、副学長は私をにらみつける。

 そしてどかどかと近づいてきた。


 

 やっぱ、怒られるんだろうな・・・


「えっと、まぁ、悪いのは魔法を放った君でもあるけど何も聞かされてなかったわけだし、今回は結界を張っておかなかった学長の方に責任があります!」

「えぇ~何でよ・・・」

「いっつも学長はそうです。シャルルさんでしたっけ?聞いてくださいよ!この前、私が副学長室で書類を整理していたところに飢えた魔獣を放ってきたんですよ!考えられますか!?考えられないですよね!?」

「えっ!?あ、はい。」

「挙句の果てには学長まで入ってきて大乱闘ですよ。しかも後始末は全部僕。大体学長はですね、頭がおかしいんですよ。その騒動を起こした理由が面白そうだったからですよ!面白そうで済ませられる問題じゃないんですよ!死んだらどうするんですか!!」

「はい・・・」

「はぁ・・・泣きたい。辞めてやりたい。こんな仕事・・・父さんが給料が良くて、そのうえ何の支障もない仕事を持ってくるわけがないとあの時気づいてれば、こんな生活にはならなかったのに・・・」

「あの・・・なんか、うまく言えないですけど、心中お察しします・・・」

「わかってくれますか!!」

「は、はい・・・」

「いつもいつも学長は僕のことをおもちゃ扱いして、楽しそうだからという理由で危険な行動を起こすし、その始末は僕だし・・・」

「あの・・・」

「でもまぁ、充実はしてます。案外体が慣れてきたのかもしれませんね。慣れというのはとても恐ろしいです。こんな状況でもやりがいがあるなどと勝手に納得してしまいそうになってしまいますから。」

「あの・・・」

「あぁ!さっきから何ですか!自分でも話してる途中で話長いな・・・とか思っちゃったりして、いい感じに切り上げようとしてるのに!」

「あの・・・学長さんさっき中庭から出ていきましたよ?」

「えっ!?」


 思い出話してる辺りで私に手を振りながらそそくさと退散してたし・・・

 確かに話長いしね。うん。


「また、僕に!これで何度目だと思ってるんだ!あの人は!まったくもう・・・」

「あの~お手伝いしましょうか・・・?」

「やってくれるんですか!?」


 そんなキラキラした目で私を見ないで・・・


「は、はい・・・」

「ありがとうございます!これは借りということにしておきます!あっ、そういえば、自己紹介がまだでしたね。私はロンド・バーディーンです。以後お見知りおきを・・・というか入学したら生徒と先生ですね・・・私はこれから生徒になる子供に敬語を・・・あの学長のせいで負け犬根性が染みついてしまったんでしょうか・・・まぁ、いいです。私のことはロンド教官とでも呼んでください。」


 何この人どさくさに紛れて私のこと子供とか言ってんだ!

 私は大人だっつーの。

 あっ、でも今は10歳か。


「私はシャルル・トルクールです。ロンド教官、これからご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いします。」

「では、シャルル、早速ですが、学校中の氷を溶かすのを手伝ってください。教官として命令します。」


 私はアイリスとレオンに治癒魔法をかけ回復させ、医務室に運んだ。

 アイリスは骨折していたらしく、私が治しておいた。

 ロンド先生は治癒魔法を使えることにとても驚いていたけど。

 それから私は校舎の氷を溶かしながらロンド先生に学校を案内してもらった。

 

 そして、ちょうど学校中の氷を溶かし終えた後、学長が戻ってきた。

 それを見ると、ロンド先生は逃げようとする学長を捕まえて叱っていた。

 

 学長は一体いくつ何だろうか・・・

 することはいたずら好きの子供っぽい。

 名前もなんか本名じゃないみたいだし・・・

 謎だ。


 



 なんにしろ私たち3人は入学を許可されたらしい。

 よかった、よかった。


 

 

 


 



 

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