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幼馴染は譲れない!  作者: 揚羽 楓
第二章 幼少期編
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18 山の主

 トトが私に与えた力はまさにチートものだった。

 この世界の人間には一人につき絶対一つしか与えられないユニークスキルが二つ。さらに、まだ私自身のユニークスキルが発動していないとかで、将来三つになるらしい。しかも、体力、筋力までアップしちゃってるし!


 トトからもらえたユニークスキルの一つ目は魔法創造だった。全6種類の魔法すべてを使うことができるというスキルだ。さらに熟練度はすべて最高に達している。つまり無詠唱ということだ。さらに6種類だけではなく、治癒や収納まですべて熟練度が最高の状態で使うことが出来る。ただし、禁忌の魔法は使うことはできない。これはトトが言っていたのだが、禁忌の魔法は生命、空間、時間に関する魔法だそうだ。よって、死者蘇生、瞬間移動、空間切断、時間逆行などはできないそうだ。


 もうひとつのユニークスキルは加速。自分の体はもちろん、自分が持っている武器の速度や仲間を加速することが出来るといった感じだ。



 これだけでもすでにこの世界で生きていくには申し分ないのに、体力や魔素量まで強化されているなんて・・・私、最強なんじゃないだろうか・・・



『いっとくがお前より強い奴はいくらでもいるからな。』


 釘を刺された。

 驕ると碌な目に合わないからな・・・用心しないと・・・


『それで、この森の脱出法だが、』

『脱出法を知ってるの!?』

『あんまり強く話しかけるな!うるさいな・・・それでこの森の脱出法だが、ウェルボル山脈の頂上にいる主に会って脱出するしかない。』

『この山脈を登るの!?』

『あぁ。お前の力はすでにこの山脈の魔獣なんか相手にならんほどにふ良くなっているんだ。心配ない。あと、守護者を倒したことで山に挑む権利が取得できたしな。』

 

 いつの間に・・・

 ていうかここに来たことあるのかトトは・・・



『さて善は急げだ。さすがの俺でも今の状態ではこの森の外の状態が分からん。結界が張られているせいでな。』

『わかったわ。』

「ねぇ!ルル!レオンが目を覚ましたわ!」

「わかった!今行く!」


 ちょうどよくレオンが目を覚ました。


「俺の足が治ってる!?これは一体・・・」

「ルルがね、治癒魔法を使って治してくれたんだよ!」

「なっ!お前、治癒魔法が使えたのか!?」

「えぇ、まぁ一応ね・・・」

「部位欠損を治すなんて相当の熟練度だな、こりゃ。お前いつの間に!?」

「いつでもいいじゃない!さてと、これからこの山を登るわよ!頂上まで一気に行くわ!」

「なんで?森から出るには山から反対側に行かないと・・・」

「どうやら、この森は結界が張られているらしいわ。となると、オーブ男も霧も山の方から来たし、原因は山にあるはずよ。」

「まぁ、そうか・・・」


 スキルとかトトとかのことはこの際伏せておこうかな・・・  

 言うのも面倒だし。

 

 レオンとシャルルも頷いたことで山登りに挑戦することになった。



 結構な時間をかけて森を踏破し、山のふもとにたどり着く。


「なぁ、お腹空かねぇか?」

「お腹空いたー」


 確かに昨日入ってから何も食べてないような・・・

 やっと緊張が途切れたことで空腹感が・・・


「ちょっと私スモールジャガーを狩ってくるわ。肉は食べられるから、それにしましょう。」

「わかった。俺も行くぜ!」

「あんたはアイリスの警護!何言ってんのよ!」

「チッ!そういうのは男の仕事だろうが・・・」


 最後の言葉は聞こえなかったことにする。

 それから私たちは肉を食べ、私とレオンが交代に見張りをし森に入って2日目の夜を越すことになった。


ーーーー


 翌日の早朝、早速、山を登り始める。


 確かにトトの言った通り、山の魔獣は相手にならなかった。

 途中で出て来た中ボスみたいな魔獣も一撃だったし。

 レオンとアイリスは驚いていたけど・・・

 もう少し力の調節をした方がいいのかな・・・


 そういっているうちに頂上が見えて来た。

 

「なぁ、この山の頂上には一体何がいるんだ?」

「それは私にもわからないけど・・・アイリス、何か知らない?」

「この山脈はウェルボルという龍が支配しているからそう名付けられたとおばさんに聞きました!」

「「えっ・・・」」


 じゃあこの上にいる山の主っていうのは龍!?

 そんなの勝てるの!?


『大丈夫だ。俺と龍は昔の顔なじみでな。俺を覚えているかは怪しいが、一緒に神様からこの世界の理を任された龍だ。会っていきなり殺しにかかるようなことはしねぇさ。』


 とのことだ。


 まぁなるようになるのかな・・・


「ルル!頂上だよ!」


 気が付けば雲の上だ。

 この山道を半日で登り切った。相当なペースだ。

 よくアイリスはついてこれるな。

 私だったら音を上げてしまうのに・・

 まぁこの数日で体力がついたのかな?


「すごいね!ルル!雲の上だ!!」

 

 壮大だな・・・

 雲の上ってのは・・・


「おい、シャルル!アイリス!こっち来てみろ!」


 レオンに言われてきてみるとそこにはとてつもなく巨大な巣があった。


 これはどう考えてもさっき言ってた龍の巣なんだろうな・・・


 すると上に気配を感知した。

 トトのおかげで、魔素の流れや気配まで察知できるようになった。

 すごい・・・


 そして上を見ると龍が空から足の爪を向けながら凄い速度でこっちに来る!!

 速い!!

 っていうか、いきなり殺しにかかるようなことは無いってトトが言ってなかったっけ!?


 ともかく、私はすぐそばにいたアイリスを抱えよける。


 レオンも無事よけることが出来たようだ。


 龍は足の爪をしまい、巣に着地する。


 そして私たちに目を向ける。


 正直威圧感が凄いんだけど・・・ 

 こんなの絶対勝てないよ・・・


 すると龍は頭の中でしゃべりかけて来た。


『わっはっはっはっは!我が名はウェルボル!この山を守る主。我が片腕を破る実力、少し試させてもらったが想像以上だ!久々だな!そんな洗練された動きをしてよける奴は!』

『それって俺のこと!?』

『お前なわけなかろうが!そこの娘じゃ!ん?貴様はあれだな・・・その人間の体で・・・ふむ・・・まぁ、いいじゃろう!ところで、何用じゃ!この森と山に何の用じゃ!危害を加えるなら我が相手になろう!』

『いえ、滅相もございません!ウェルボル様!私たちは早くこの森から出たいのです。どうか入り口まで行けるようにしていただければ!』

『ふむ。そうか、迷い込んだというわけか。いいじゃろう。この森に入った者には容赦はしないのじゃが、この山の頂上まで来た強さ!認めてやろう!今から魔法をかける!そうすれば、自動的にこの森の入り口まで戻れる!』

『ありがとうございます!』

『それでは帰るがよい。』


 こうして無事に帰れる運びとなった。


『おい、そこの娘。』

『はい?私ですか?』

『名を申せ。』

『シャルル・トルクールです。』

『ふむ、シャルルというのか・・・貴様からは何か懐かしいものを感じる。貴様にはこの山を踏破したという証に我の加護をやろう。』

『ありがとうございます!』


 そういうと左手の甲に文様が浮かび上がる。

 

『最後に一ついいですか?ウェルボル様。』

『ん?なんじゃ?』

『トトという名前に聞き覚えはありますか?』

『・・・いや、知らんな。』

『そうですか、答えて頂き有難うございます。では、失礼します。』


 


 私たちはその日の夜、無事に入り口に着くことが出来た。



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