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幼馴染は譲れない!  作者: 揚羽 楓
第二章 幼少期編
15/32

14 誕生日

 今日は私の10歳の誕生日!

 昨日の夜は嬉しすぎて寝れなかった。

 誕生日でなんでこんなに興奮してるのかって?

 私にもわからないよ!

 なんかこう、幼心をくすぐるというか、純粋にプレゼントが楽しみで仕方がない。


 そして、早速今日の朝、トレーニングをした後、アイリスを訪ねた。


「アイリスー!おっはよー!」

「ルル元気いいね。どうしたの?」

「またまた~わかってるじゃん。」

「はいはい。ルルは誕生日になると人格変わるよね。

 はい、どうぞ。」

「ありがとう!」


 本当は親からもらうという風習なのだが、私とアイリスは7歳になってからお互いに誕生日に贈り物をしていた。


 アイリスの誕生日は正確にはわからないのだけれど、フレネルさんが見つけた日を誕生日にしている。


 去年はアイリスから、かわいいブレスレットをもらった。

 今年は何だろうか・・・


「アイリス、開けてもいい?」

「どうぞ。」


 アイリスから許可をもらったので開けてみる。

 中には大きな白い宝石の着いたネックレスだった。


「うわーきれい!すごいね!この宝石!どうやって手に入れたの?」

「おばさんには内緒にしてほしいんだけどね、昨日森の近くまで行ってみたの。本当はお花にしようと思ったんだけど、花を摘んでいる途中に木の根元に光ってるものがあってね。それで拾ってみたらとても綺麗な宝石だったの。」

「そんな宝石いいの?」

「いいのいいの。ルルがもらって!ルルが似合いそうだな~って思ってたから!」

「ありがとう!それでね、アイリス。あなたにも今日のパーティーに来てほしいの。私に関係のある人たちを招いて盛大にお祝いしてくれるらしくって・・・どうかな?」

「たぶん、大丈夫よ!おばさんは?」

「おばさんも来てもらうつもり。その間、この孤児院の子供は私の家で見るって。だから安心して!」

「わかったわ。着替えてすぐ行く!」

「うん、待ってる!」


 私は孤児院を出て、早速アイリスからもらったネックレスをつけた。

 ちょっと重いけどせっかくもらったんだから今日は一日中つけてよーっと。


 家に帰ると昼食の時間になっていた。

 そこで私から切り出す。


「お父様、お母様、私も学校に行きたいです!兄様と同じアブドラに!」


 アルバートとナノアはとても驚いていたが、ベルタの時よりも案外あっさりOKされた。


 昼食が終わると午後の訓練。

 そこでアルバートが私とレオンを集めた。


「シャルル、そいてレオン。お前らはもう一人前の剣士だ。もう俺から教えることは無い。レオンも一緒に学校に行かせることになった。お前ら二人頑張っていけ。」

「え、俺もですか!?」

「お前も剣術だけだったらなんとかなる!頑張ってみろ!金は出してやるから。」


 唐突だったが、薄々、そろそろ来るだろうなと思っていた。

 やった、一人前だ。

 私も大学に行ったら、どのくらいの腕前なんだろうな・・・

 レオンも渋々了承した。


 訓練は終わって部屋に戻るとアイリスが待っていた。

 ほかにも玄関からは私の知ってる人たちが大勢来ていた。通るときにみんなからお祝いされたのはちょっと恥づかしかった。



「ルル、改めて、おめでとう!」

「ありがとう。アイリス、どうしたの?そのドレス。きれ~い。」

「ちょっと買っちゃった。この日のためにね。仕立て屋さんに行ったら1時間で仕上げられるっておばさんから聞いたの!」


 するとレオンが訓練着のまま入ってきた。


「ちょっとレオン、汚い服のまま入ってこないでよ。」

「そんなことはどうでもいい。シャルル。今日は何する日かわかるよな?」

「えっ、私のお祝いをする日でしょう?」

「そうじゃねぇ。今日は森に行く日だ!アイリスも一緒に行くぞ!」


 あぁ、そういえば思い出した。そんな約束してたなぁ。


「今日なの?明日じゃダメなの?」

「ダメだ。今日行くんだ!まだ祝いの式までは時間がある。ちょっと行ってくるぞ。」

「えっ、ルルとレオン、森に行くの?やめといたほうがいいんじゃ・・・」

「私たち今日剣士として一人前として認められたの。まぁ約束だし、すぐ帰れば問題ないわよね。」

「確かに約束は大事だけど、勝手に行って大丈夫かな・・アルバートさんとかが怒るんじゃ・・・」

「大丈夫だってちょっとぐらい。行くぞ!ほら、裏口からでるぞ。」


 こうして私たち三人は帰らずの森に行くことになった。

 そして森の前に来た。


「やっぱり行かないほうがいいんじゃ・・・」

「アイリス、何弱気になってんだ。俺は何回も行ってるし帰って来れてる。大丈夫だ。」

「そうよ、私たち、もう一人前だもの。何とかなるわよ。」


 私もとても入ってみたかったのはあるが、私はどのくらいの強さか試してみたいのはあった。


「よし、入るぞ!」



 入って何分もしないうちに魔獣に出くわした。

 本で見たことのある魔獣だった。

 確か・・・スモールジャガー!

 あまり危険度は高くないが、死ぬことを恐れずに噛みついてくる魔獣だ。

 森によく生息し、Fランクの代表的な魔獣だ。


 この世界の魔獣はランクがAに近づけば近づくほど危険と言われている。

 最低はFランクで最高はAの上のSランク。

 過去に何度かSランクより上のSSやSSSランクに到達した魔獣がいたらしいが、最近はいないらしい。

 盗賊や犯罪者グループ、ギルドも上のようにランク付けされており、上に行けば行くほど危険または優秀と言えるらしい。


 とはいえ、前にいるのはFランクの魔獣。

 これが倒せなければ、正直全然ダメだ。


 一般人と変わらない。


 私は思い切って距離を縮める。

 すると、スモールジャガーは噛みつこうとしてきた。

 私の右足を狙って。

 

 飛びつくスピードもレオンの剣に比べれば、全然速くないので余裕で左にステップしてよける。


 躱したところで私愛用の5歳の時にもらった真剣で切り付ける。



 ジャキッ!



 まるで野菜でも切ったかのような手ごたえだった。

 だがスモールジャガーを見ると真ん中から真っ二つ。


 あっさりと倒せてしまった。


「おぉ、シャルル、お前すげぇじゃん。俺でも最初コイツ倒せなかったのに。まぁ、それも昔の話だしな。俺も今ならそれくらい簡単だろうな。」

「うわー!ルル凄い!鮮やかだね!」


 こんなものなのか?Fランクは?


「おい、次は俺が倒すからな。シャルルは黙ってみてろよ。」

「はいはい。どうぞ。でも私も楽しくなってきちゃった。レオン、この森にはもっと強い魔獣いないの?」

「奥のほうにいるぜ!」

「よし、レオンも一体倒したらもっと奥に行きましょう!」

「えぇー奥に・・・大丈夫かな・・・」


 心配するアイリスをよそに二人は走る。


「ちょっと待ってよー!私そんな訓練してないんだからー!」



 三人は奥へと進んでいった。

 





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