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幼馴染は譲れない!  作者: 揚羽 楓
第二章 幼少期編
13/32

12 私の今

ナノアの案はこうだった。


「まず村の子供に詳しい、村の孤児院をやっているおばあさんに会いに行くの。

 そして、レオンの情報を聞き出して。

 後はなるようになるわ。あなたは私の娘だもの。

 きっといい解決案が見つかるわ。」


 こんなの案なんて言わないでしょ!まるっきり他人任せじゃん!

 だけど、本当になるようになった。


 レオンの言葉に売り言葉に買い言葉で偉そうなことを言ってしまったが、正直レオンに勝てるかどうかというのは5分5分だった。レオンが油断していなければ、負けていたのは私の方だったかもしれない。まぁ、負けたら負けたで他の案はあったのだけれど。



 人は一人では生きていけないといったのは本心だ。ミィスに転移してすぐは、本当に佑真という支えがいなかったら私はどうなっていたかわからない。あのベクタンとかいう魔獣に瞬殺され、トトにも会えず死んでいただろう。だからこそ、私にはこの言葉の真意がわかる。レオンにも言える。

 とはいえ、レオンはこの言葉にむかついたようだが。


 そして、レオンが家族になった。特にベルタと最近よく話しているし、朝私と一緒にランニングしたり、剣術の授業をしたりしている。


 魔法の方はというと得意なのは火と闇の2種類。でも、あまり才能があるとはいえず、得意魔法がないのかと思ったぐらいだ。基本の魔法さえ習得して使うのに2時間かかった。


 レオンはそれについて、俺は剣で生きていくんだ!と言っていたけれど、どうなることやら。


 それから私とレオンは村の孤児院のフレネルおばあさんを訪ねた。


 どうやらこの孤児院はトルクール家が出資したらしく、昨年の疫病で親を亡くした子供たちをおばあさんは引き取っているらしい。

 

 孤児院の中に入ってみると、小さい子供ばかりだった。

 私も今は小さい子供なのだけれど、2~3歳くらいの子供が多かった。

 一番の年長は私と同い年で5歳のアイリスという女の子だった。

 アイリスとレオンは知り合いらしく、二人で話をしていた。


 その間、私は昨年の疫病についておばあさんに聞いた。

 昨年、まだ4歳のころはほとんど家から出ることは許されなかったので、レオンから事情を聴くまで私には知らされていないことだった。

 おばあさんに聞いたところによると、昨年の疫病まではこの孤児院はアイリスを含め3、4人しかいなかったらしい。

 だが、昨年の疫病で子供が十人近く増え、てんやわんやだと言う。

 

 私は疑問に思った。こんな2~3歳の小さい子供は感染していないのに、その親は亡くなられたという事実。たまたま成人にかかりやすい病気だったのか、それとも・・・

 でもレオンの妹も病気に罹ったって言ってたしやっぱり違うのかな。


 ともかく、話をきいてそんな風に思った。

 レオンとアイリスの話も終わったようだったので、私もアイリスと話してみた。


 とても優しい女の子で世話好きだった。

 なんの話にしても客観的で5歳の子供にしては、とても考え方が大人びていた。

 レオンのことは特に気にしていていたようで、私とアルバートが以前レオンについて聞くためにこの孤児院に訪ねた時もとても心配していた。誤解も解くことが出来たし、私の家が引き取ったということもあり、とても感謝された。

 女の子とは初めて話したので、私もとても親近感が沸いた。

 また会うことを約束して私とレオンは家に帰ってきた。



 家ではアルバートが待っていた。

 また、特訓だろうか・・・

 最近ちょっとハードなんだよな・・・


ーーーーーー


 後日、アイリスと何度か話をした。


「私、シャルル様とお友達になれてうれしいです。」

「シャルルでいいわよ。アイリスはどうしてこの孤児院にいるの?」

「わかりました。私は正確にはこの村の生まれではないのです。フレネルおばさんが言うには、ある日の夜、夜道を歩いていると、赤ん坊の泣き声がきこえたらしいのです。泣き声のほうに行ってみると、帰らずの森の入り口の前にゆりかごがあって、その中に私がいたそうです。」

「そうなの・・・じゃあ親も分からないのね。こんなこと聞いてごめんなさい。」

「いいんです。気にしないでください。それよりもシャルル様。これからもよろしくお願いします。」

「まずは、敬語を直すところからね。アイリス、これからよろしく。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 それから二年が経った。


 特訓は相変わらずだしアイリスとの交流も続いている。

 敬語は直させたが。


 変わったことといえば、ベルタの授業が私の理解できないレベルになってきたことだ。計算や帝王学、経理学、農学など、今までやっていた学問のレベルがそれぞれワンランクアップし、調合術や歴史学といった新しいものに手を出しているらしい。 

 ベルタは、

「やっとシャルルに勝てるものが出来た!」

 と、喜んでいた。



 そして、ある日、夕方の特訓も終わり、お風呂に入った。

 部屋で夕食までナノアからもらった魔術書を読んでいた。


 すると、レオンに呼ばれた。



「シャルル、ちょっといいか?」



 レオンが私に?なんだろう?


 レオンも相変わらずで私と一緒に特訓しているが、なにかと張り合ってきて正直ウザい。アルバートもレオンが剣術にとても熱心なものだから、どんどん訓練をハードにする。この二人、無駄にアツい。

 レオンとも、たまに決闘するが、今のところ特訓を始めてから私の167勝164敗だ。私もそれなりに強くなっている。


 明日の決闘の申し込みだろうか。

 それだったら受けて立つけどね。


 レオンの部屋に入る。


「シャルル、そこに座ってくれ。」


 私は遠慮なく座る。


「それで、どうしたの?決闘の誘いなら受けてたつけど?」

「まぁ。それもしたいところなんだが。なぁ、シャルル、お前うずうずしてこねぇか?」

「えっ、何に?」

「自分の力がどれくらいなのかだよ。俺は特訓を初めて2年。いっつもお前と組まされるわけじゃん。」

「何?ご不満でも?」

「そういうことじゃねぇ。俺たちは俺たちの実力しか知らない。俺たちが世界でどのくらい強いのかわからねぇだろ。それでよ、ちょっと森に出てみねぇえか?」

「森に!?そんなのダメに決まってるじゃない。どれだけ父様や母様が注意していると思ってるの?あの森は一度入ったら帰れないと言われている帰らずの森なのよ。やめといたほうがいいわ。」

「いや、実は俺、入ったことあるんだよ。それがもう100回以上。現に帰ってこれている奴がいるんだぞ。大丈夫だって。」

「だめ、絶対だめよ。私たちまだ父様に一人前として認めてもらえてないじゃない。少なくともそれまでは無理ね。」

「わかったよ。じゃあアルバートのじいさんに認められたら行こうぜ!」

「お・父・様でしょ!何回言ったらわかるのよ。あなたは。・・・わかったわ。認められたらついて行ってあげなくもないわ。」

「よし!約束な!絶対だぞ!」

「はいはい。」


 そういって私は部屋を出た。

 私も実力を確かめたいとも思うし、あの森はなぜ帰らずの森と言われているかも知らない。興味はある。だが、以前その話をしたときに、アルバートとナノアからすごい剣幕で止められた。

 あれだけの剣幕で止めてくるのだから何かしらの危険はあるということだろう。

 まぁ、認められるのもいつかわからないし、私は気長に特訓をするだけだけども。

 

 後でアイリスにも聞いてみようかな。


「シャルルー!ごはんよー!」


 ナノアから呼ばれた。


「はい!母様!今行きます!」


 今日のご飯は何だろう。


 私はとても平和に一日を過ごすのだった。




 

 


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