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幼馴染は譲れない!  作者: 揚羽 楓
第二章 幼少期編
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9 魔法と剣術


 計算や文字の読み書きもできるようになった私はぶっちゃけ暇であった。


 いつも話を聞いてもらうベルタは家庭教師と授業中。

 ナノアはメイドさんと一緒に家事や掃除。

 アルバートは書斎で事務の仕事。


 ナノアから振る舞いや行動に関しては合格点をもらい、文字を読めるようになった私は日中することが無くなっていた。


 たまにアルバートの書斎にある本を読むくらい。

 外出をするにはアルバートから外出許可をもらわなくちゃいけないし、忙しそうにせっせと書類をまとめている姿をみていると、話しかけられない。



 アルバートの書斎には偉人の伝記から魔術書、難しい経理の本に至るまで凄い数の本があった。図書館みたいだ。


 アルバートから好きに本を持っていっていいと言われたので、暇があれば書斎に行って、床に座って本を読んでいた。


 実際、本を読むことは前の世界でも好きだったし、難しい本にも挑戦してみたりもした。



 そして、様々な本を読んでいて分かったことだが、人魔大戦などの文献からトトの名前が無くなっていた。ほかの文献にも賢者トトの文字はなく、存在そのものをあのS女神のミィスに消されたようだった。


 人魔大戦は魔王レボルバルトとゴルワットの皇帝ノスト・フィステギアが、アブドラ王国の王が仲介する形で終戦したことになっていた。


 でも、私はトトのことを忘れないよ!



 そして面白いと思ったのがこの世界の魔術書だ。その魔術書によると、魔法を使う為に必要な魔素という元素は、体内に持てる量が生まれた時から決まっているらしく、多くは遺伝によって決まるらしい。



 大気中に存在する魔素を使うこともできるらしいが、直接大気中の魔素を体に取り込むことが出来ないらしいので、魔族の中の妖精族、またはその妖精族に仕える精霊なるものを媒介として体とリンクさせ自分の体に取り込むらしい。


 だが人魔大戦以降人族と魔族の講和は結ばれたものの、奴隷制度は色濃く残っており、わだかまりが完全に解消されたとは言えず、妖精族や精霊と魔法を使う人間はほとんどいないらしい。


 妖精族は私には縁もないので、あるとしたら、遺伝の可能性だけだ。

 

 私の父のアルバートは剣術、魔法で成り上がってきたトルクール家の遺伝子を引き継いでいるらしい。ナノアは冒険者のパーティで魔術師を務めていたらしいから、私は魔術に適性がある可能性は高いと思う。

 でも、ベルタは才能は遺伝されなかったってことか・・・

 私も才能がない可能性はあるのか・・・

 後で試してみよう。せっかくこの世界の体に転生したんだから。



 魔術書にはいろんな魔法が書かれていた。無詠唱で魔法を唱えられるかどうかは熟練度が関わってくるらしい。魔法をいっぱい使うと、そのうち無詠唱になるということだ。


 そして魔法の種類は、水、火、土、風、闇、光の6種類。バリエーションに富んでるなぁ。魔法が使えるのならいろんな魔法を使ってみたいな~。


 魔法には基本の技があり、そこから各個人で得意魔法を伸ばしていき、創意工夫して、進化、発展させていくらしい。だが、苦手な魔法の種類というのが絶対にあるらしく得意な魔法の種類はせいぜい3~4種類。ただ精霊や妖精族の力を借りればもっと多くの魔法を使える。自分の魔素量以上の魔素を使う魔法は、たとえ得意魔法でも使えないらしいが。




 次に面白かったのは剣術の書。剣術はやはり流派なるものがあるらしい。特に有名なのが二つで、初代勇者の名前をとったバルガ流と、剣術だけで成り上がり騎士団長の座を譲らない一家と言われているバーティミアス家の名をとってミアス流が有名らしい。


 ちなみにアルバートはミアス流だ。

 もちろん我流なども多く存在し、二刀流や銃剣使いもいるらしい。魔法で剣を具現化させたり作ったりできる人もいると書いてあった。


 そして魔術師にも剣士にも共通の熟練度というものがあり、ある一定の熟練度に達すると神技なるものを得ることが出来るらしい。あのミィス様から与えられる技として、伝わっているらしい。大体、一人の熟練者に一つというのが絶対だそうだ。スキルのような常時発動型や、必殺技みたいな一撃型などがあるらしい。


 熟練度は必要があればギルドなどが可視化してくれるらしいが、見知らぬ人と戦う場合は戦って実力を測る以外に相手の腕はわからない、と書いてあった。


 

 そして、私は本を閉じる。



 

 よーーーーし。魔法を使ってみるか。

 私は魔術書を持ちながら裏庭に出て、一番大きな木の前に立つ。


 んー得意魔法を確かめてみるか。


 まず水魔法。


「我、神の恵みありて、今ここで魔の力をもって水の加護を所望す。バブル


 自分の体の中の魔素?というか何かが前に出している右手の手のひらに集まってくる感じがした。

 

 すると、2、3個のシャボン玉みたいな泡が発生。

 やった!魔法が出来た!


 どうやら威力や飛距離などはイメージの通りになるらしい。


 そのあと全部の基本の魔法を試してみると、水、風、闇魔法はできた。

 いきなり3種類できるなんてすごくない!?私!

 だがその他の火、土、光魔法は何回か挑戦してみたがうまくいかなかった。

 今後練習たり、魔術書を見ていろんな技を覚えてみよう。

 イメージとか、創意工夫で基本技からどんどん発展できるみたいだし。


 よし、この特訓は秘密にしておこう。

 見せる時が楽しみだなぁ。


 玄関の扉を開けると、アルバートが立っていた。


「ん、シャルルか。どうだ、俺と一緒に来るか?」

「はい、お父様!ぜひご一緒させてください!」


 アルバートは庭で剣術の訓練をするつもりだったらしい。

 庭で上半身裸になって素振りしている。


 なんだ~外に行けると思ったのにな。

 それよりもアルバートがいたことで咄嗟に隠した魔術書をどうするか。


 庭のベンチに座っている私に隠せる場所は外にはない。


 どうしようどうしよう。魔術書見つかったら怒られるかな・・・

 

 必死に考えていると、


「おい、シャルル」

「はい!」


 バサッ。


 いきなり呼ばれたので魔術書を地面に落としてしまった。

 するとアルバートは落ちたものに気付きこちらに近寄ってきた。

 

 あぁ~どうしよう・・ヤバいヤバいヤバい!


 そして私に向かって手を上げた。


 はたかれるっ!


 シャルルは目を瞑った。


 

 アルバートは私を撫でてくれた。



「なんだ、シャルルは魔法に興味があるのか。でも、だめだぞ。大事な本を外に持ち運ぶなど。」

「はい、お父様。すみません。」

「わかればいいのだ。わかれば。」



 話してみるとアルバートはとても話しやすかった。ベルタに似ていたし、ナノアの言っていたとおり、口数は少ないものの、言っていることはとても優しく、私を包んでくれるようだった。


 

 私の家族はとても温かった。

 私はこの家族をもっと好きになった。


今度はアルバートから剣術と魔術を習ってみようかな…

 

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