プロローグ -流れ星の導きー
星乃瀬奈は、三人兄弟の長女として生まれた。
弟も妹もやんちゃで姉の瀬奈も両親が共働きということもあり、アルバイトをしつつ、2人を世話をするのはなかなかの重労働だったが、日々は充実して過ぎていき、気づくと高校三年生になっていた。
あんまり頭がいいわけでもなく、親友と呼べる友達もいなくはなかったが、隣に住んでいる幼馴染の伊月佑真のおかげで小さい頃から今に至るまで遊び相手には苦労はしなかった。
家にいる時間以外はほとんど佑真と一緒にいるからなのだろうか、クラスではよからぬ噂があったりなかったりしたのだが、佑真がそっち方面に疎く学校では男友達とマンガとかアニメとかラノベの話しかしないのですぐ消えていった。
たまに佑真の家に行って雑談や愚痴などを聞いてもらいながらゴロゴロするこの時間が好きだった。兄弟や進路のことを考えずに済むこの時間が瀬奈は好きだった。何も考えずに過ごせる時間がいつまでも続いたらなぁと思っていた。
佑真の家から自分の家に帰って見慣れた家の玄関の扉を開けると、弟の大河と妹の優紀が喧嘩していた。どうやらおなかが空いていたらしい。おかしの取り合いをしているようだ。
「こらっ!大河! お兄ちゃんなんだから譲ってあげなさい!」
すると弟が、
「だって優紀が僕の分まで食べようとするんだ!」
それを言われたところで自分の失態に気づく。
「あぁ!ごめん!夕ご飯作って置かなかったんだった!今すぐ作るから!もう少しだけ我慢して!」
すぐ冷蔵庫の中のものからさっとできるものから作ってしまおうと冷蔵庫を開けると、
「えっ・・・うそ・・・」
ほぼ何も状態だった。正確に説明すると、調味料と卵と牛乳しかない。
「とりあえず卵焼きだけ作ってコンビニに惣菜を買いに行くしかないか・・・」
思い立ったらすぐに行動!ぱぱっと卵焼きを作って、炊いてあったごはんと、温めなおした味噌汁をお椀に盛り、
「ごめん!お姉ちゃんこれからコンビニ行っておかず買ってくるから、先食べてて!」
と言って大急ぎで家を出る。近くのコンビニはちょうど佑真がバイトしている時間帯だな、と思いながら走ってコンビニに着くと、
「ん?瀬奈か?こんな時間にどうした?」
と、言ってくれたのは佑真だ。ちょうどバイトが終わったようで、2つ上で同じ高校出身の武田先輩と外で話していたらしい。シフトが同じだったようだ。
事情を説明して中で買い物を済ませると、まだコンビニの駐車場で話をしていた。何回か佑真と武田先輩との話を聞いたことがあるのだが、瀬奈にはついていけないアニメや漫画の話ばっかだった。瀬奈はあまり、アニメやらラノベやらに詳しくはなく、佑真の家で暇つぶしにたまに読むくらいだった。面白いとは思うが、ハマるまではいかない。それくらいのものだった。
「何話してるの?」
「今日はここらで流星群が見れるらしいんだ。だから流星群についての話をちょっとね。」
アニメの話じゃないのが意外だった。ふーん、先輩とそういう話もするんだ、と思っていると、キラッと空が光った。
ちょうど流星群が流れ始めた。一面の夜空を彩る流星群。瀬奈だけでなく佑真も見入っていた。すると、いきなり一つの流星が凄い速さで向かってきた。
「あっ・・」
としか、声を出せなかった。瀬奈たちの目の前あたりで急に発光して、三人は目を瞑ったとたん、意識が暗転した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目を開けるとそこは森の中だった。




