王子さまと羊飼いの少女
ありがとうがざいます。(^.^)(-.-)(__)
子供の時から空想する事が 常日頃 頭のなかでぐるぐると回っていました。
ただ!空想でも現実でも 笑顔を忘れないように生きていきたいものです。
海の中に とても立派な作りの 美しいお城がありました。
お城の名前は ラッセン城といいました。
そのラッセン城には 民からとても好かれる優しい王樣がいました。
いつも民達の事を考えて 全てを 平等に分け与えるようにしていたので、民達はとても豊かな暮らしが出来ていたのです。
町も明るく、お城の者も民達も笑いが絶えない日々でした。
そんなある日 王様は突然病に倒れ亡くなってしまいました。
王様の後をまだ16才のラマという王子が ラッセン城を受け継いで行く事になりました。
ラマ王子は この先ずっと自由もなく暮らすのかと思うと、不安になり お城から逃げ出したくなりました。
「ああ、お父さん 僕はどうしたらよいのでしょうか?お父さんみたいな力は僕にはありません」
ラマ王子は窓から見える月を眺めながら 手を合わせ首を項垂れていました。
月の姿が海面におぼろげに写っているのを見て、ラマ王子は決心しました。
「そうだ!この城から抜けだそう」
ラマ王子は一月程 時間をかけてこの大きな城からの出口を何ヵ所か探しました。でも、見張りを突き抜ける勇気はありませんでした。
「どこも 見張りがつていてダメだ!」
諦めかけていたとき、窓の外をふっと見ると船が入って来てくるのを見つけました。
その船には 沢山の食物が積まれていて 少しの間その船には誰もいない様子でした。
「あれだ!今だ、いましかない!」
ラマ王子は走って船着場の所まで走って行き 直ぐに荷物の箱の中に隠れました。
荷物を運ぶ人達が船を出し始め なんとかほっと胸を撫で下ろしました。
お城からの脱出に成功したラマ王子はワクワクしていました。
船は到着して箱が運び出され ラマ王子の入った箱も船の外に出されました。
ラマ王子は回りに誰もいなくなるのを待って そっと箱の外へ出ました。
「いまだ!」
ラマ王子はとにかく町まで走り続けました。 走ってはしって……
「はぁはぁはぁ」(*゜∀゜)=3
喉もからからになり座り込んでしまいました。
洋服は箱の中の墨がつ黒くなり 釘で所処破れて洋服もボロボロになっていました。そこには王子の姿なんかどこにもありませんでした。
そんな時に 一人の女の子が近寄ってきて……
「貴方 どうしたの?お洋服は破れてるし真っ黒だし…」
「あ、えっ!」
「働いていたのね、私も今終わったところよ。 良かったらその服縫ってあげるわよ。家まで来ない?」
「ありがとう、君の名前は?」
「私はドルチェよ、年は16才よ」
「僕と同じ年だよ」
「そうなの!あっ、お母さんと妹のジェイが待ってるから早く家に帰りましょ!ついてきて」
「うん」
そう言ってドルチェは自分の家にラマ王子を連れて行きました。
壊れそうな小さな家でした。
「さあ、どうぞ入って、お母さん ジェイ!帰ったわよ、今日はお友達を連れてきたのよ」
「ああ、お帰りドルチェ、いつもすまないね」
「大丈夫よ、ねえラマ!テーブルに座っててね、食事の支度を済ませたら服を縫ってあげるわね」
「う、うん」
ラマ王子はあまりにも小さな家にびっくりしていました。
その時 綺麗な洋服を来た少女が奥の部屋から出てきました。
「ねえ、早くご飯作りなさいよ!お腹ペコペコなのよ!」
「あっ、ごめんなさい。すぐ作るから…」
「早くしてね!」
そう言いのこし ドアをバタンと強くしめて部屋へ戻りました。
「ねえ、ドルチェ、さっきの人は誰なの?」
「妹のジェイよ、私の本当のお父さんは病気でね、私が小さい時に亡くなったの。それでね、母がジェイのお父さんと結婚して 一緒に暮らすことになったんだけどね、ジェイのお父さん、働きに出たまま帰ってこなくなってしまって……可愛そうな子なんだ」
「そっか……」
「私には母がいるけどジェイは……」
「……」
「さあご飯よ!ラマ 食べててね。ジェイ!ご飯できたわよー」
そう言って出してくれた食事は 小さなパンにりんごが一切れでした。
「ごめんね、いくら働いてもなかなかお金が無くてね」
「い、いやご馳走だよ!」
「王様が亡くなってからは 貧しい私達を助けてくれる人はいなくなったの」
「王様は何をしてくれてたの?」
「ラマはこの国の人じゃないの?」
「いや、そうだけど 父と母が家の事は全部してくれるから……その…わからなくて…」
「そっか、私は父親のかわりしてるから…だからわかるのよね、王様は貧しい私達にいつも食料を平等に分け与えて下さってたわ」
「……」
「でも、今は違うわ…誰も人を助ける余裕なんて無いし、お城からも何も頂けなくなったわ、 だから自分で働くの」
ラマ王子は その話を聞いて胸が痛くなりました……が、とてもお腹が空いていたのでペロリとパンとりんごを食べてしまいました。
ジェイが部屋から出てきました。
「またパンとりんご 嫌になっちゃうわよ!お父さんがいたらこんなめにあわなかったのに……」
「……」
「ねえ、さっきからそこにいるけど 貴方 誰?」
「あっ、ボクはラマです」
「ふーん」
「少し出掛けてくるわね」
そう言うとドルチェはお母さんの食事を運んた後、外へ出て行きました。
ラマ王子は不安になり古い木の戸を開けると 水の入った槽を運んでいるドルチェの姿がありました。
小さな身体で一生懸命 重たい水を持ち上げて運んでいる姿は ラマ王子にとってとてもショックな光景でした。
急いでラマ王子はドルチェの手から槽を取って家まで運んであげました。
「ありがとう、助かったわ」
「こんな重たいものをいつもドルチェが?」
「そうよ、でもね お母さんが笑ってくれるとまた元気になるのよ」
「う、うん。ジェイは手伝わないの?」
「いいのよ、ジェイは両親がいなくなってからとても心が弱っているのよ」
ラマ王子はお城を逃げ出した自分が恥ずかしくなりました。
「さあ、明日も早いからラマはあっちの部屋で休んでね。おやすみなさい、服は朝までに縫っておくからお父さんの服を着ていて」
「ありがとう」
次の朝 ラマ王子は目が覚めると もうドルチェはいませんでした。
破れた服は綺麗に縫ってくれていました。
じっとしている自分が恥ずかしくなり、急いでドルチェを町に探しに行きました。
とうとう町の外れの広い野原まで 出てきてしまいました。
ラマ王子は諦めて町へ引き返そうと思った時に、野原の中で一人の少女が羊たちを追いかけて 走り回っているのを見つけました。
「あれは、ドルチェ?やっぱりドルチェだ?」
ラマ王子は叫びました。
「おーい、ドルチェー」ヽ(・∀・)ノ
「あっ、ラマ!どうしたのこんな所まで よくわかったわね」
「ドルチェを探していたんだ」
「ラマも羊たちを追ってくれる?今から小屋へみんな入れないといけないの、この子達 なかなか云うこと聞かなくてね」
「まかして!」
そう言ってラマ王子はドルチェと一緒に走り回り 羊たちを小屋へ入れました。
「ラマありがとうね」
「なんのこれしき」
ラマ王子は自分がドルチェの為に手伝える事を 心の中でとても嬉しく思いました。
「さあ、帰りましょ!」
その時です!パカパカと馬の足音が近ずいてきました。
そして沢山の兵士もやってきました。
「ラマ王子!やっと見つけましたよ」
「うわっ」(゜ο°;)ノ
「ラマ!何か悪いことでもしたの?」
ラマ王子は兵士に この少女には自分が王子だという事を伝えないでくれと頼んだ。
ドルチェとお別れの話をしてくると兵士達に伝えました。
「ドルチェ、僕を助けてくれてありがとう。必ずドルチェの生活を豊かにすると約束するから!」
「あなたが?」
「君のお母さんやドルチェとジェイ!またきっと笑えるように……」
そう言ってラマ王子は兵士達の馬に股がり去っていきました。
ドルチェは何がなんだかわかりませんでしたが、また羊たちに餌をやる為に小屋へ戻っていきました。
ドルチェはラマと過ごしたのはたった一日でしたが 自分を助けようとしてくれたラマが去ると ふっと寂しい気持ちになりました。
ラマ王子は お城に帰ってから 皆に決心した事を伝えました。
「私は父の後を継いでこの国の王様になります。そして、この国、総ての人を平等に食物を分け与えて行けるように……」
それからラマ王子は民達の為に国が良くなるように 一生懸命働きかけました。
あれから4年が経ち ラマ王子は20才になりました。
ラマ王子は ドルチェに会いたいと思う気持ちが強くなりました。
ドルチェが幸せかを確かめたくなったのです。
そして たった一日過ごしただけのドルチェを思い続けた事を胸に包み込み…ラマ王子は町へ出かける事にしました。
ドルチェに渡す綺麗なドレスと頭に付ける 綺麗な花輪を片手に持って……
ドルチェの家の前に到着して ドアをノックしました。
「はい」
明るい声で返事が返ってきました。ドアが開いて 中から美しい少女が出てきました。
「あの、ドルチェ様ですか?」
「えっと、どちら様ですか?」
「覚えていますか?私は4年前に貴方に洋服を縫ってもらった者です。ラマです」
「あら、あの時の……真っ黒になってた人ですよね、わからなかったわ!今日は立派な格好をしてらっしゃったから……」
そう言ってドルチェはくすくすと笑いました。
「あの時は大変お世話になりました。ドルチェさんは今、お幸せですか?」
「ええ、今は生活は豊かになり、食料にも困らなくなりましたわ」
「良かった!本当によかったです!」
ラマはとても嬉しい気持ちになりました。
そしてラマは ひとつの思いを伝える事を決心しました。
「私はこの国の王になりました。民の為にこの国を豊かにしていきたいのですがドルチェ、どうか私と一緒にこの国を守っていってくれませんか?」
「ええっ!」゜+。:.゜(*゜Д゜*)゜.:。+゜
ドルチェはびっくりしました。
「…………」
「ドルチェ…」
「ありがとうございます。ただ、母もジェイも一緒に連れていけるのであれば……」
「勿論です!」
ラマ王子は片手に持っていた綺麗なドレスと花輪をドルチェに渡しました。
「まあ素敵なドレスだわ、これを私に…夢みたい」
ドルチェはドレスに着替えると美しいお姫様に変身しました。
ドルチェはラマ王様の馬に乗りお城へ向かいました。
そうしてラマ王子とドルチェは結婚して 幸せに暮らしたそうです。
☆☆おしまい☆☆
わたくしの心の中を読んでくださりありがとうがざいます。
昔々のお話しは悲しくても寂しくても 決して揺るがない心を持った主人公が多いような気がします。
わたくしもそんな人になれたらいいなぁ なんて思う毎日です。