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知らないうちに
少年は20歳。
生い立ちがかなり複雑そうな感じで今は、誰も知らない場所で暮らしているらしい。
名前は凛。
りん、
と呼ぶと不思議な感じがした。
俺はその日たまたま休みだったから
凛と一緒に朝ご飯を食べた。
凛はとにかく少食だ。
だからそんなにガリガリなのか。
キャベツ食べただけなのに。
なかなか
次に箸が進まない。
『無理して食べる事ないから』
そう言うと凛は泣き出した。
『ごめんなさい』
この涙の意味はよく解らなかった。
凛は何者なのか。
知ってみたいと
思ってしまった。
今思えば
これが
最初の罠だったのかも、しれない。