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朝
君と出逢ったのは3年前
路上に倒れてた人間がいたから
俺は警察を呼ぼうとした。
すると
俺の手を掴み
震えた声で言った。
助けて
と。
そう。
ただそれだけなのに
俺は馬鹿みたいに
一人暮しの部屋に連れていった。
名前を聞いても返事をしない。
年齢を聞いても返事をしない。
まぁ、犯罪ではないだろうと、
その日は寝かせた。
次の日の朝。
美味しそうな匂いで目が覚める。
こんなの、いつぶりだろうか?
慌ててキッチンへ向かう。
そこにはあの少年がいた。
手早く卵をかき混ぜ
トーストしたパンにバターをぬる
ハムとベーコンにキャベツの千切り。
スープはコンソメだ。
あ、
すみません起こしてしまって
その表情に俺は
一目惚れしてしまったんだ。